登場人物・団体など名称は全て架空の物です

特定の地名なども一切関係ありません。

 

トランプでババ抜き

 

 1話完結

 

  家族でトランプ

 

 私は聖子、入社して3年目の序列順位最下位の平社員。

お正月我が家の恒例行事でトランプを使った『ババ抜き』があり

私が中学生になった年から始まったのがキッカケです

理由は簡単なことで家族4人だから親役を1回し4回ゲームを行って

一番負け数の多い人がゲーム後にコンビニへ行きアイスを買って来る

負けが同点の場合はトランプをシャッフルして1枚引き数字の小さい方が負け

当時小学生の妹が負けた場合は何故か私が付き添いで一緒に行かなければ

アイスは食べさせてもらえない仕組みになっていた。

 

  ババ抜きは小学生でも出来るゲーム

 

マークはハート・ダイヤ・クラブ・スペードと1~J・Q・Kのカードで

52枚にジョーカーを足した53枚をジャンケンで勝った人が親役として

参加者に配り分ける

あとはトランプカードを配った親役が回る方向を決めて1枚を引いて

スタートして行く

マークが違っても数字が同じであれば公正を期するために

マークと数字が見える表を見せて捨てる、これの繰り返しをする

そして、最後までジョーカーを持っていた人が負けのゲーム

ただこれだけのルール

けれど実は結構奥が深いんです、読む・読まれない心理戦が必要

『なかよし姉妹』はこの『ババ抜きゲーム』を鍛錬としてます

 

ネシブちゃんねる   ネシブちゃんねる

 

ネシブちゃんねる

※ マジシャン風の 変装が変幻自在の妹

 

  家族で攻防戦

 

両親は百戦錬磨の達人だから心理戦は結構キツイ、その反面妹はチョロイ

今年も妹が雑談作戦を練りに練って絡めて来た

「YouTubeでマジシャンが街行く人に声かけてマジックを披露してて

『今決めたマークと数字を言って下さい』それでね女性の9割はハートって

言うんだよね、何故だか知ってる?」と得意気に語り掛けて来た。

 

  黒聖子参上

 

両親は一瞬反応したけど私が即答で

ハートのマークは衣類や生活用品に使われて身近にあるから知ってて

スマホやパソコンのトランプゲームは出来ても実際に問われると

マーク形状や種類を知らない・言えない無知が居るのは事実で

我が家のように家族でトランプゲームする機会が皆無に等しく

親から教えて貰ってないからと、当たり前のことを話してやった。

 

  トランプのマークを知らない

 

「それとね、そのYouTube観てて『赤いひし形の・・・』と言った時は

マジ?と思ったよ、そのマジシャンの他の動画で可笑しかったのが

ジョーカーが言えなくて男の人が何かに乗ってた、だって」

 

  黒聖子参上

 

私もその動画は聞き流し程度で何度か観た事が有る

「『私はダイヤと言うマークも知らない人間です』をネット上で

公開宣言している様なものだな」

妹は今の発言を外で言ったらコンプラ的にアウトだと言う

両親はそんなことも知らない人が居る存在に驚いていた。

 

  聖子の作戦

 

妹の雑談作戦は本当にチョロイ、心理学の習得知識に偏りがあるから

やたら口数が多いだけで、まだまだ未熟者だ

その練った作戦の多連装装置の口撃に免じて私が持っていたジョーカーを

「自転車に乗ったこのカードだろ?」と見せた時の妹の動揺が面白かった

 

ネシブちゃんねる

 

ジョーカーを戻しシャッフルし人間工学を利用し顔表現情緒工学と

更に思考・動揺作戦を絡めて対応してやった

単純に手持ちカード内でジョーカーだけを大袈裟に浮かせるだけ

そんな子供騙しの手に引くに引けないもどかしさで妹がムキになった、笑えた。

 

※「来年こそは」と闘志を燃やす妹

 

  父の策略

 

そんな攻防戦をしながら『ババ抜き』ゲーム結果は父がワザと負けた

元旦から熱を出して寝込んだ母を気遣ったゲーム展開にしか見えなかった

私は気付いていたけど母と妹は全く気付いていない

父がニコニコしながらコンビニから帰って来た。

 

  聖子が呟く

 

《 今年の父は母が食べたいカップアイスが有ったようです 》

 

父のイチオシ『抹茶』味は母も大好き

ネシブちゃんねる

 

                    終わり