登場する人物・団体など名称は全て架空の物です

特定の地名なども一切関係ありません。

 

ポケバイエンジン始動

 

第22話 創作文「朋美」

 

 朋美にも講師から質問された
「赤い旗が振られた時はゆっくりと走って戻って来ます」
講師から正解と言われ父親はホッとした
無事に講習会も終了し受付時に撮影された顔写真付きの会員証が渡された
朋美は自分の顔が付いた会員証をニコニコしながら眺めて父親にも見せた
そこへ管理人のおじさんがやって来た
「ワシがここのシステムを話していればもっと早く来てたかな?」
管理人はオーナーから押し売りの様な勧誘はするなと言われ
勧誘した子は長続きはしないと笑った
父親はピンクのポケバイにはリミッターを付けたと説明すると
管理人は桃香レーシングの件は大変だったねと言いながら
自分も様子を見たいから走る準備をするように言った
朋美もライダースーツに着替えプロテクター等も装着して
ピンクのポケバイを押しながら管理棟まで来た
管理人はポケバイ初経験の子がいきなりコース走行は無理だから
初心者練習コースで色々と教えるからと移動した。

【指導する管理人】
管理人はポケバイのエンジン始動に関する実施事項と注意事項を
朋美親子にみっちり教えた
管理人は朋美が子供自転車に乗れるようになった事を褒めた
「自転車は自分でペダルを回さないと進まないが
ポケバイはエンジンがタイヤを回してくれるから
ここのアクセルグリップを手前に回すとエンジン回転数が
上がってタイヤも早く回るから朋美ちゃんが乗ってても
平気で前に進むよ」

【ポケバイのエンジンを掛ける】
管理人はエンジン始動の実施事項を父親にやらせてみた
エンジンが始動すると次に朋美を呼んでアクセルの事を説明した
アクセルグリップを手前に回すとエンジン回転が上がる事と
最初は走行に慣れるまでは少しだけ回して走る事と
これ以上回らないところまで回すとビックリする程速く走る事を
実際にやらせてみた
以前教えたブーン・ブーン・ブレーキはまだ覚えているかなと言い
何度も何度も体験させてみた
最初はポケバイがフラフラしながらも管理人の言われた事はクリアー出来た
「よく覚えていたね、その通りで良いよ」
管理人は予想以上に教えた事が出来るため朋美を褒めまくった。

【エンジン回して初走行】
しかし、次の直線走行はアクセル操作が上手く出来ずに
低速ではフラフラしたり管理人からアクセルを回せと言われると
回し過ぎて急加速してバランスを失って転倒したりしていた
管理人は朋美の走行弱点をすぐに見つけた
それは本人が転倒する事を恐れて常に両足を少し開いて
ポケバイだけに跨って走行している事だった
「朋美ちゃん、怖いと思うけどここのステップに足を乗せて
走ればアクセルグリップを握っている右手が軽くなって
スムーズに回すことが出来るからやってみよう」
 
                            つづく