登場する人物・団体など名称は全て架空の物です
特定の地名なども一切関係ありません。
サーキット講習会に参加
第21話 創作文「朋美」 | |||||||
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陽子は工場の廃材で作ったやじろべいで説明した | |||||||
朋美はそのやじろべいの動きが珍しくて自分の指にも乗せた | |||||||
「体のバランスが悪いとこんな風に倒れるんだね」 | |||||||
朋美は父親と自宅に帰ると夕食後はテレビも観ずに | |||||||
夏休みの宿題を始めた | |||||||
※朋美の1日1行日記 | |||||||
『今日はお父ちゃんの工場で本を読んでその後は縄跳びをしました』 【熱中症対策】 |
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翌日になると社長は真夏の炎天下で体育はマズイと思い | |||||||
自宅のガレージに置かれた自家用車全部外に出して | |||||||
ガレージの窓を全開にして一応念のため家電の扇風機も置いた | |||||||
朋美が住んでいる奥多摩地区は東京都心に比べれば | |||||||
少しは涼しいため天井の高いガレージは最適だった | |||||||
社長は娘の陽子が来れない時はガレージの中の様子を | |||||||
防犯カメラで様子を見ていると言い外には出るなと言ったが | |||||||
息子の賢作が体育の時間帯だけは立ち合いに来てくれた | |||||||
賢作は朋美が縄跳びをする様子を見てコンクリートの上では | |||||||
足に負担が掛かると思い倉庫から古い人工芝を引っ張り出して | |||||||
その上で縄跳びをさせた | |||||||
賢作が来れない時は社長の奥さんが見守っていた | |||||||
しかし、肝心の朋美は縄跳びの連続が全然出来ないため | |||||||
気分転換をするため廃材で作った幅10cmの板の上を歩いたりした | |||||||
算数の時間割では陽子が作った九九算表のふりがなを読んでみたりした | |||||||
陽子は自分が来れない時用の自習ノートを渡した | |||||||
そこには算数の足し算や引き算と簡単な掛け算と割り算もあった | |||||||
※朋美の1日1行日記 | |||||||
『工場の体育の時間に縄跳びで3回連続で飛べるようになりました』 【朋美の初走行相談】 |
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ある日工場の昼休み時間に賢作は一条とピンクのポケバィの話をしていた | |||||||
奥多サーキットで走るための準備は揃っていたため | |||||||
いつから初走行を開始するかを聞いていた | |||||||
一条はお盆休み前に一度正式に講習を受ける予定と説明した | |||||||
賢作はいきなりあの高速回転で走行は無理があるのではと言い | |||||||
最初の内は走行に慣れるまでスピードが出ないようにリミッターを付けて | |||||||
エンジン回転を抑える事が出来ればエンジン部品の消耗と | |||||||
燃料の消費も同様に抑えられると提案し | |||||||
賢作の仕事が終わったらポケバイを調整する話で提案は決まった 【サーキット走行講習会参加】 |
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工場の定休日の土曜日がやって来た | |||||||
一条はピンクのポケバイを社長宅へ取りに行き賢作達と合流し | |||||||
奥多サーキットの講習開始時間に間に合うように出発した | |||||||
奥多サーキットに到着すると前回よりも駐車場は空いていた | |||||||
管理棟でコース走行するための講習会を申し出ると | |||||||
「受講者は女の子ですね、今年から小学3年生までの女の子は半額ですよ | |||||||
それと最初の3ケ月間の走行練習費も半額です」 | |||||||
父親は前回の体験走行で管理人は何も言っていなかった事を告げると | |||||||
「ポケバイで走りたい人だけを受付けてます、こちらから誘う事はしません」 【慌てる保護者】 |
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他に数名の家族も含めて講習会が始まった | |||||||
対象者が小学低学年前後のため分かり易く説明されていた | |||||||
講師の管理棟係員が途中で保護者に簡単な質問をした | |||||||
「こんな時はお子さんになんと説明しますか?」 | |||||||
話半分で聞いていた保護者は慌てて子供渡された資料を取り上げて | |||||||
必死に質問された内容の所を探す場面も有った | |||||||
朋美にも講師から質問された | |||||||
「赤い旗が振られた時はゆっくりと走って戻って来ます」 | |||||||
つづく | |||||||