第30話
 
テロリストは再度超小型ロケットランチャーを発射させた
軍曹はその発射音に反応してサラの耳を塞いで覆い被さった
「怖くても我慢だ」
身を隠すために入った部屋はキッチンだった
テロリストによる爆撃でキッチン内の器具類がぶっ飛び散乱した
その一部が軍曹達にもぶっ飛んで来て身体に当たっていた
サラに覆い被さっていた軍曹の目の前には
ナベや割れたお皿類など調理器具が散乱していた
「サラ、怪我は無いか?大丈夫か?」
「兵隊さん、サラはここで○ぬの?」
「大丈夫だ、仲間が応戦している、サラ、ママに逢いたいか?」
「うん、ママに逢いたい」
「ヨシ、良い返事だ、兵隊さんはサラを家に連れて帰るように
大統領パパと約束して来た、今度はサラが兵隊さんと
約束してくれないか?」
「何をすれば良いの?」
軍曹は目の前に散乱したナベを見て手に取った
散乱したタオルにガラス片が無いか確認してサラの頭に乗せた
そして手に取ったナベをサラの頭にかぶせた
他のタオルで紐を作りアゴ紐として結んだ
「兵隊さんとの約束は、家で待っているママが頭にかぶったナベを
取って良いよと言うまでかぶっている事の約束を守れるかな?」
軍曹はサラと約束を交わすために小指を出した
「もしも、ママに逢う前にこのナベを取ったらどうなるの?」
「サラが頭を大怪我してママに逢えなくなるかも知れないな」
「わかりました、兵隊さんとの約束はちゃんと守ります」
そして、サラも小さな小指を出してお互いに小指を絡ませて
約束の儀式を交わした
救出メンバーの援護攻撃もありテロリストによる
超小型ロケットランチャーの爆撃から何とか逃れる事が出来た
軍曹達はスナイパーに脱出ルートの方角を無線で尋ねた
「fuseは無事だ、これから持って帰る安全な帰り道の
ナビを再度頼む」
※ 「fuse」とは救出作戦に於いてサラの事を暗号にした呼び名
トラッパーは交戦中にテロリストが追撃出来ない様に
至る所に爆破装置を仕掛けていたため
スナイパーと無線でテロリストの追跡を確認しながら
仕掛けたトラップの爆破装置を無線装置で起動させて
テロリスト達に被害を与えた
サラが拉致されていた別荘から脱出出来た救出チーム達は
レジスタンスの協力で小型バスに乗り込んで国境を目指して
走り出した
テロリスト達は応援部隊を呼んで追跡劇が始まった
テロリストはピックアップトラックに乗せた機関銃で
小型バスの後部を目掛けて銃撃をすると
装甲板で覆われていたため弾がはじかれた
軍曹は小型バスの運転手に蛇行する様に指示したが
それを見たテロリストは後輪タイヤを目掛けて銃撃をした
後輪タイヤは大きな音を立てて破裂して
直進性を失い大きく転倒されられた
 
                            つづく

主人公「サラ」イメージキャラ
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