どうも。GALOです。お越しいただきありがとうございます。

 

今回は経済学とは少し離れ、マーケティングの分野について記事を書いていこうと思います。

今回紹介するのは、マーケティング戦略策定のプロセスについてです。拙い文章ではありますが、ご笑覧ください。

 

[経営戦略とマーケティング戦略]

 企業の戦略は大きく2つに分類でき、それぞれ経営戦略とマーケティング戦略に分かれています。

 経営戦略とは、長期的な目線で持続的な経営をしていく上で、どのような経営の方向性を採用するのかを決定します。

 対してマーケティング戦略とは、モノを売る仕組みについての戦略です。どんなに優れた製品でも、売れなければ無価値です。そこで、製品を継続的に売れるように仕組みづくりをすることが、マーケティング戦略の目的となります。

 

さて、以降はマーケティング戦略策定のプロセスに必要なフレームワーク(SWOT分析、STP分析、マーケティングミックス)の概要を説明しながら、フレームワーク間でどのような関係があり、どのような策定プロセスになっているかを紹介します。

 

[SWOT分析]

 商品を購入する顧客の集まりを、「市場(しじょう)」と言います。顧客が生活する環境のことを「市場環境」と言います。

 市場環境は「マクロ環境」「ミクロ環境」に分けることができます。マクロ環境とは、企業がコントロール(操作)しにくい環境のことで、政治・経済・社会・技術などがあります(この分析方法にPEST分析というものがあります)。ミクロ環境は、企業がある程度コントロールできる市場環境のことです(この分析方法に、3C分析5Forces分析などがあります)

 

 マーケティング戦略を策定する上で、市場環境を分析することは極めて重要です。市場がどのようになっているのかを把握しないと、そもそも売りにいくメリットがないですからね。

 

 市場環境分析を大雑把に行うことができるのが、SWOT分析です。

 Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの頭文字を取ってSWOT分析と言います。

 このうち強み・弱みについては企業内部の環境に当てはまるため、「内部環境」と呼びます。そして、機会・脅威については企業の外部の環境に当てはまるため、「外部環境」と呼びます。

 強み・機会は企業にとってプラスの要素であり、弱み・脅威は企業にとってマイナスの要素です。

 ビジュアルで示すとこのようになります。

 このSWOT分析により、弱み・脅威を理解した上でのリスクマネジメント策を考えつつ、「強みが最大限に活かせる機会」を見つけ出します。

 

[STP分析]

 次に、STP分析について解説していきます。STP分析とは、顧客の集まりである市場を分析し、開発する製品のポジションを明確に示す分析方法です。

 Segmentation(市場細分化)、Targeting(ターゲット市場選定)、Positioning(ポシジョニング)の3つの工程を行うため、頭文字を取ってSTP分析と言います。

 

 Segmentationでは、市場全体をいくつかの属性ごとに細分化します。グループ分けするというイメージを持っていただければ幸いです。

 次に、Targetingです。細分化した市場で、自社がターゲットにする市場のグループを設定します。

 最後にPositioningでは、SWOT分析で見つけ出した「強みが最大限に活かせる機会」を元に、2つの強みを縦軸、横軸に取り、他社製品とのポジションを確立します。

 この段階までいくと、STP分析の完了です。このSTP分析の結果は、のちに記述するマーケティングミックスに大きく影響しますので、分析は慎重にする必要があります。

 わかりづらいかもしれませんが、ビジュアルに起こすと、このような形になります。

 

[マーケティングミックス(4P、4C)]

 さて、SWOT分析、STP分析が終わると、いよいよ製品の値段などを決定していきます。そこで使われるのがマーケティングミックス、通称マーケティング4Pです。

 4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通チャネル)、Promotion(販売促進)のことです。

 

 Product:プロダクトでは、どのような製品を排出するかを決定します。ここで、STP分析で行なったPositioningのポジションを生かした製品を開発します。

 

 Price:価格では、上限価格と下限価格の間での価格決定を行います。上限価格は、ターゲットの顧客が「このぐらいまでなら支払ってもいいかな」と思える「支払い許容額」になる為、STP分析のTargetingが重要になります。下限価格は、製品を作るのに必要な費用である変動費になります。変動費よりも低い価格で売り出すと、売れば売るほど赤字になってしまうため、下限価格は変動費と同額になります。

 

 Place:流通チャネルでは、ターゲット顧客がよく利用するチャネルを使用する必要があるため、STP分析のTargetingの結果を元に決定します。

 

 Promotion:販売促進では、ターゲット顧客に届くような販売促進活動をしなければならない為、STP分析のTargeting結果を元に、どのような販売促進を行うかを決定します。

 

 このように、4Pの分析にはSTP分析の結果が非常に密接な関係になっており、STP分析を怠ると、後のマーケティングミックスの分析結果が大きく左右されます。

 SWOT分析からSTP分析、4P分析までの一連の流れが「基本的な」マーケティング戦略策定のプロセスとなります。

 

 

 

 もちろんこれは理想論であり、例えば製品が既にコモディティ化している市場では、アンゾフの成長マトリクスの「市場浸透」にあたり、低価格競争が激化する可能性もあり、マーケティングミックスのPrice戦略が機能しないケースも存在します。また、上限価格である支払い許容額の調査が容易でない(詳しくは経済学の応用分野である行動経済学、産業組織論の範囲になります。)というデメリットも含んでいる為、現実問題では完全にその通りに行くわけではありません。

 しかし、思考プロセスの一つとして、ロジックを組んで戦略の説明をすることは極めて重要になります。「よくわからないけれど儲かっている」という感覚では、私は臨機応変の対応が難しいと考えています。

 

 

 以上でマーケティング戦略策定のプロセスについての解説を終わります。マーケティング戦略については、まだまだ多数のフレームワークがあり、実際にマーケティング戦略の広告効果がうまく機能しているかどうかを評価する指標もたくさんあります。マーケティングについては、今でも最新の研究が数多くの分野に拡散して行われている為、まだまだ面白く奥深い分野でもあります。最近では「ゲーミフィケーション」や「ノスタルジック」などの分野がホットな分野ではないでしょうか。

 

 それではまた次の記事で。ご笑覧ありがとうございました。