リテラシーを持つということ | ネパールの手帖

ネパールの手帖

平成22年6月から2年間、ネパールでソーシャルワーカーをしてきました。「ネパール日和」から「東京日和」へ。東京の空の下、ネパールで感じたことを思い出して記していきます。

メディアリテラシーなんてのが叫ばれるようになっていた頃、私は大学生。

いわゆる「とんがりキッズ」世代の私は、ほーほーそうだ!そうだ!なんて思って新書などを読みあさっていたのでした。

さて、そんなこともすっかり忘れていたネパール生活。

身近な信じれる人が言っていること、その人達からメディアから流れてくることを伝え聞いたことを信じて生活していた私。

最近、カトマンズでは道路が道路拡張のため、めっためたに壊されています。それはそれはネパール人の仕事って早いな――と感心してしまうほど、昨日あった塀があっという間に壊されています。

その道路拡張に関しストライキや道路封鎖などが行われました。これは大ごとだな。と思っていたところ、
知人が

「ネパール政府は悪い!道路拡張のために住民を立ち退かせて、お金も払わないし、代替えの土地も渡さないのだ!これだからネパール政府はダメなのだ!!」

と話してくれました。そうか、そういうことだったのか。それでネパール政府に対してストライキしていたのね!納得!

と、私の中で解決し、やっぱりネパールは政府が悪いんだ。と結論付けていました。

ところが、違ったようなのです。

道路拡張の為に立ち退きを余儀なくされている人達は、実はネパール政府の土地に住みついてしまった人達なのだそうです。そして、道路拡張に関しても10年程前から「道路拡張するので立ちのいてね」宣告をしていたそうです。しかし「昨日、今日、明日」しか単語がないネパール。明後日以降の話をされたって覚えているわけがありません。

そして、現在政権を取っている毛沢東主義政党の首相指揮の元、一斉に道路拡張が決行されました。
この、思いっ切りを評価する人達も多くいるようです。

これだけが真実でもないと思いますが、私に見えているネパールはほんのほんのほーーーんの少しだけ。

私が見てきたもの聞いてきたものだけがネパールではない。

そう、しっかりと念頭において伝えていかなくては。と思うのです。
私の知らないネパールがたくさん。もっともっとネパールを知って行きたい。そんなネパール日和です。