Pyrolator/Wunderland 1984年作
前回のDAF(ガビデルガド)繋がりで、ピロレーター。
ピロレーターことクルトダールケは初期DAFのメンバーで、後にデアプランに参加しノイエドイチェ
ヴェレの牙城となるアタタック(お前はもう死んでいる…)を興す事となる。
本作はピロレーターの3作目、ヴンダーランド。
いや~ピロレーターは初期から比べるとだいぶ聴き易くなった。
当時リアルタイムで聴いてきた人は不思議の国の前に立ちふと後ろを振り返ってみて、随分遠くへ来た
もんだ、と隔世の感を禁じ得なかったのではなかろうか。
ファーストはノイズミュージックやゴスを主体とした前衛的な暗黒世界だったが次作ではDAF化、もっと
穿ってみるとデュオ時代のDAFを参考にエレクトロ化、ポストパンク化といった変化を遂げ、本作では
動物たちの奇声が響きわたりどこか可愛らしくコミカルな音色の楽器が散りばめられトイミュージックの
様相を呈してくる。
アタタック特有の風変りな音楽という通底はあっても初期の荒廃した暗黒世界と本作の奇妙で可愛ら
しい動物たちが犇めく南国のお伽世界とじゃあまりに対蹠的な世界観だもんね。
何かほっこりとするような、一種のほほんとした世界観だけど不思議と間延び感はなく、南国の
雰囲気もまったく暑苦しくなくカラッとしてる。
曲によっては坂本教授がフッと脳裏をよぎる瞬間もあって、この時代ならではだなぁと思ったり
思わなかったり。不思議の国の龍一、、、ありましたよね昔。