障害年金相談室の窓から
  • 10Nov
    • 障害年金保険料納付要件(海外期間)

      障害年金の申請をするためには、保険料の納付要件があります。具体的には、次のようになっています。初診日の前日の時点で、初診日のある日の前々月までの公的年金加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること。 または、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことです。さて、ここで今回問題にしたいのが、上の文の中の「公的年金の加入期間」という所です。20歳になると、年金の加入義務が生じますが、ここでいう「公的年金の加入期間」というのは、20歳になってからのすべての期間というのではありません。年金法の規定を見ると、「国内に住所を有する20歳から60歳までの人」が加入義務者になっています。したがって、外国で暮らしていた、海外居住期間については、「公的年金の加入期間」がら除外されるのです。(つまり、計算するにあたって、分母から差し引かれるわけです。)ただし、海外居住期間であることは、公的な書類で証明することが必要です。代表的なものは、戸籍の附票です。 この書類に「国外移住」と記載されていて、外国にいたことが明らかになるのです。あとは、パスポート。 あまり知られていませんが、法務省入国管理局の出入国管理記録によっても証明書として認められることがあります。事前に年金事務所に確認した方がよいと思います。これらの海外移住期間についての証明書は、老齢年金の請求のときでも必要となるケースがあるので、出来たら予め取得しておいた方が安心です。また、これらの証明書類には、保存期間がありますので注意が必要です。私自身も、相談を受けて保険料の納付要件に少し足りない方がいました。よく話を聞いてみると、外国にいた期間があるとのことでした。さっそく、必要書類を取り寄せて、何とか納付要件を満たすことができたケースがありました。年金事務所でもOKの返事がもらえ、依頼者の方と一緒になって喜んだ記憶もあります。このように、保険料の納付要件も結構複雑なところがあります。一度、年金事務所に行ってダメだということでも、少しでもわからない点があれば専門家に相談をしたほうがよいのではないかと思います。     ホームページはこちら         相続専門サイトはこちら

  • 04Nov
    • 障害年金と自己破産

      今回は、障害年金と自己破産との関係について説明したいと思います。具体的には、こらから障害年金の申請をしようとする人が、同時期に自己破産の申立もしようとする場合です。 実際に相談があった事例です。少し専門的な話になるのですが、自己破産の申立を裁判所にして、要件等を満足していると「自己破産の開始決定」が裁判所から出されます。そして、この「自己破産の開始決定」が出ると、その後に債務者が取得する財産については破産債権者の追及が及ばなくなるのです。逆に言うと、「破産の開始決定」前の債務者の財産は、破産開始の決定前に請求原因があるものを含めて(まだ権利として確定的になっていないものでも)債権者の追及を受けるのです。わかりにくい説明になってしまいましたが、障害年金に話を置きかえると次のようになります。「自己破産の開始決定」前に障害年金の申請を年金事務所に行っていると、それも破産債権者の追及を受けることになるのです。裏を返せば、「自己破産の開始決定」後に障害年金の申請をし受給決定を得られれば自分の権利となり破産債権者の請求を受けることもないのです。ですから、ここで注意しなくてはならないことは、両方(障害年金と自己破産)の申請の順番なのです。自己破産の申立の方を先に行い、開始決定が出てからすぐに障害年金の申請をすればよいのです。しかし、ここで悩ましい問題が出てきます。それは、病院のカルテの保存期間の問題です。5年のカルテの保存期限が目前に迫っているような場合は、一刻も早く診断書や受診状況等証明書を取得しなくてはなりません。(自己破産の開始開始決定まで待っていられない場合です。)このようなケースでは、とりあえず診断書や受診状況等証明書を取得しておく必要も出てくるでしょう。社会保険労務士に相談すると、障害年金は債権者の差押えが出来ない権利なので破産との関係でも気にする必要がないと言われることもあるかもしれません。たしかに障害年金の受給権自体は、法律で差押えが出来ないものとされています。しかし、その障害年金が、年金事務所から実際に本人の銀行口座に振込まれてしまった後ではそうはなりません。銀行の預金(債権)に対しては、強制執行が出来ますし、自己破産の関係でも破産債権者に追及を受けることになります。お金になっていまえば、お金に色はつかないのです。障害年金と自己破産を同時期に申請しようとする場合は、最初に書いたように注意をするようにしてください。     ホームページはこちら

  • 30Oct
    • 障害年金の初診日について(相当因果関係)

      障害年金の初診日について、よく問題になるケースとして、現在のやケガの前にその原因となるような病気やケガがあることがあります。その場合、どちらの初診日を障害年金の申請請求の「初診日」とするのでしょうか。やや難しい言葉が出てきてしまうのですが、次にような取扱いとなっています。「障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日」とされています。ここで注意しなくてはならないのは、「相当因果関係」という言葉です。(キーワードです。)何でもよいというのではなく、「相当因果関係があると認められる傷病」なのです。(カッコの中全体で一つの言葉なのです。)「相当因果関係」ということを付け加えるのには、二つの意味(機能)があるものと考えます。一つは、ただの因果関係ではないということ。言い換えれば、ささいな原因であってほんとうに原因ありとされるかよくわからないものを除外するという機能です。例えば、高血圧と脳出血または脳梗塞です。 これらは相当因果関係はないものとされています。糖尿病と脳出血または脳梗塞も同様です。二つ目は、相当因果関係という言葉に実質的な意味はなく、因果の関係性があるかを予め個別に判断しておくための道具としての役割です。言い換えると、あるのかないのか無用に混乱しないように、判断に悩まないように個別のケースごとに決めておくものです。結果からみれば、自然科学的にも因果関係が認められるのが通常とされるケースと思います。例えば、肝炎と肝硬変は相当因果関係ありとされています。また、糖尿病と糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症なども同様です。このように、障害年金を申請請求するには、専門的な知識が必要となってきます。必要な知識がなかったために申請をあきらめてしまうケースも起こってきています。もし、よくわかならいことがあるときには一度専門家に相談してみるのがよいと思います。 ホームページはこちら

  • 27Oct
    • 障害年金の初診日について

      障害年金を申請するのに、初めに確定しなければならないのは「初診日」です。そこで、障害年金の「初診日」の意味についてまず確認します。「初診日」とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師や歯科医師の診察を受けた日のことです。どのホームページの記載もこれと同様のことが書かれています。当たり前のことが書かれているようにも思えます。しかし、この「初診日」の日付を確定することは結構難しいことなのです。そもそも、その障害の原因といっても簡単に特定できるものでしょうか。障害の原因が複数ある場合もあるでしょう。しかし、「初診日」の日付がわからないのでは、障害年金の申請を進めていくことが出来なくなるのです。その意味で「初診日」の特定は、障害年金の申請で大変重要なことなのです。なぜなら、年金保険料の納付要件(一定基準の保険料を納付していること)、どの時点の診断書を提出するのかなど、「初診日」を基準に定められているからです。実際、事務所に相談にいらっしゃる方の多くは、この「初診日」についての相談なのです。年金事務所にひとりで行ったが、「初診日」がはっきりしないので必要な書類ももらえなかった。昔のことではっきりとは覚えていない。 複数の診療科にかかっていて、いつを「初診日」としていいかわからない。このようなことで悩まれている方は、ぜひ専門家に相談していただきたいと思います。自分の記憶がはっきりしない場合でも、面談し受け答えをする中で気づくこともあります。また、詳しく話をお聞きすることにより、解決の糸口が見つかる場合も多くあります。繰り返しになりますが、「初診日」の日付によって、障害年金が受給できるかできないかが変わってきてしまうのです。(100パーセント明確な場合は別として、最終的には年金事務所の判断となるとしても、原因結果の因果関係には一定の幅があることは法律も予定していると考えられます。)これから何回かに分けて、この「初診日」について書いていきたいと思います。   ホームページはこちら