犬も喰わない…8 | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

嵐が大好物
J担 翔潤loverですが、櫻葉&大宮何でもアリです(妄想、腐ってます)

人の勧誘目的、宣伝目的、男性は入室されないでください。
絶対に申請認定しませんから。



「今、下に着きました。行ってもいいですか?」
 にのさんのマンションに下に着き、ボクが電話するからと掛けたモバイル。
 帰ってきたのは、
「好きにすればいい」
 とても冷たい声だった。
 半分以上泣きそうだったボクは、泣き顔をぱぁに見せないように、精一杯の笑顔をつくって、
「行ってもいいみたい」
って笑ったのに、ぱぁはボクを抱き締めて、
「意地悪なこと言われたんだろ。カズはそういうところあるからな。
 でも、本心からだったら『来るな、帰れ』って言ってるよ。そうじゃなかったんだろ?」
「すきに、すればって」
「ふうん、『すきにすれば』ねえ。じゃ、好きにさせてもらいましょうか」
ぽんぽんとボクの頭を叩いた。
 ぱぁ?何考えてるの? ボクにはわかんないよ。 
 にのさんのあんな冷たい声も聞いたことないし、にのさんに電話したその後ろでおとーさんの声がしたわけでもなかった。
 何だかとても怖くなって、ぱぁの手にすがり付いたら、
「大丈夫だよ、翔大。なんにも怖いことはないから、安心してオレに任せて」
にこって笑ったぱぁ。
 じーっと見ても、ぱぁの瞳に曇りはない。なら信じる。
「ぱぁ、一つだけ聞いていいい?」
「ん?」
「あの……あの……ね?」
「どうした?歯切れが悪いなんて珍しいな」
 そりゃあ……あんまり聞きたくないことを聞くんだもん……。
「しょーた?どーした?」
「うん……」
 言い澱んでいたら、いきなりぱぁが笑いだした。
「まさかと思うけど、翔さんと別れるとか言い出すんじゃないかって心配してる?」
「あ!」
「翔大、心配してくれてありがとうな。でも、それをオレが言い出すことは絶対にないから。もし、この後翔さんと話をしてオレの口からその言葉が出たとしても本心じゃないから。
 まー、悲しい思いをさせられた事に対する報復?かな?」


 そっか、と思えるほど大人の駆け引きは知らなかった。
 でも、扉を開ける前、さすがに鍵を使うのをためらったボクはインターフォンを押したんだ。

ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン

 なんの反応もない。その瞬間握り締めていた鍵に力が入る。

「翔大、その鍵でエレベーター動くんだろう?」
「う……ん」
「じゃあ、行こう。好きにすればいいって言われたんだよな」
「う……ん」
 やばい、また涙が溢れだしてきた。なんで、ボク、こんなに泣き虫なんだろう。
「翔大、泣かなくていいから。
オレがいるよ。怖いことは何もない。
先ずはカズの気持ちを確かめないとね。それと翔さんにはお仕置きが必要かな?」
「そ……んなこと……出来ないよ」
「まあ、オレのやることを見てなさいって。そのうえで翔大が思うままのことをすると良い」

 ボクにはぱぁの言ってることがいまいちわからなかった。
 でも、悔しい、悲しいって気持ちは変な方向に言葉を持ってっちゃうんだってことを、ボクは今日初めて知ったんだ。
 そして……ぱぁの怖さも……。



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