犬も喰わない…6 | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

嵐が大好物
J担 翔潤loverですが、櫻葉&大宮何でもアリです(妄想、腐ってます)

人の勧誘目的、宣伝目的、男性は入室されないでください。
絶対に申請認定しませんから。



 ぱぁと二人、にのさんやおとーさんの好物をたくさん作った。
 勝手知ったるキッチンで、二人で作るなら手際良くとんどんできる。
 ボクはどちらかと言えばスープ系を担当。細かく切ったお野菜をコトコトと圧力鍋にかけて柔らかく。お豆を入れるのは少し甘くなるから。その方がにのさんは美味しそうに食べてくれる。
「ハンバーグ大きさどうする?」
「ん、小さくしてお肉団子みたいにする。スープに入れられるようにしておくの」
 そうすればにのさんも自分の好みで入れられるもんね。

 ボクが言ったのをどう受け取ったのか、
「ふふ、カズは料理するの?」
ってぱぁが聞いてくる。

 おとーさんはボクが小学校の頃から料理は禁止されてるからね。

「料理?んー、ボクが熱出したときなんかよく分からないスープが出てきたよ」

「どんな?」

「たぶんだけど、ボクがストックしてるレトルトのトマトスープをミキサーにかけたんだと思う。粒々は全然なかったから喉が痛くても食べられたけど、味がね……さすがに病人には濃かったよ。
 でもそうやってボクが苦しんでるときとか深夜しか帰ってこられないときとかなんだかんだ言って作ってくれるよ

「やさしいなぁ」

「ぱぁ程じゃない」

「オレはお前の親だから比べちゃダメでしょ」

「んふふ」

 さあ、もうこれ以上作るものは無い。ってことは覚悟を決めてにのさんのマンションに行かなくっちゃ。
 ぱぁもわかってるみたいで出来上がった料理を詰める手がのろのろしている。ボクの手もだ。
 でも……。

 ボクはポケットからモバイルを出していつもの押し慣れた番号を押す。

 ワンコール、ツーコール、スリ、
『はい?』
「遅くにごめんなさい。おとーさんそこにいる?」

 少しの沈黙。

『ええ』
「今から行きます。ううん、行ってもいいですか?」

 また、沈黙が……胸が潰れそうになって、それでもモバイルを切ることは出来なくて。そっとボクの肩に触れたのは、ぱぁ。
 にのさんの言葉を待つ間、ボクの震えは大きくなる一方でぱぁが抱き締めてくれていなかったらボクはこの沈黙に耐えられなかったかもしれない。

『お好きにどうぞ』
「は……い、行きますね」

 すごく冷たい声だった。今まで聞いたことのない声。にのさんがモバイルを切った瞬間、膝が崩れて、抱き締めていてくれたぱぁにしがみついた。

「カズはなんて?」

「『お好きにどうぞ』って」

「翔さんは?」

「いるって」

「そっか、じゃあ行こうか。ほら、しっかり立ちなさいってば。車に料理運ぶよ!」

 ぱぁ……さすがだね。でも、ボクの前でまで虚勢を張らないでいいのに。
 目の端にある涙の欠片が光を受けてキラリと光ったのを見逃さなかった。

 仲直り、しようよ。
 ボクとにのさん、ぱぁとおとーさん。離れてたら息が出来ない。

 わかってたつもりだったのに、ひどいことを言ってしまったんだよね。ボクはワガママだった。

 どうか、嫌わないでにのさん。
 どうか、ぱぁの事をわかってよおとーさん。


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