短編映画『ジャンボ&萌え~』。 | ネモ船長の独り善がりな、シナリオ~

短編映画『ジャンボ&萌え~』。

[ネモ船長のシナリオ解説]

タイトル『ジャンボ&萌え~』
  
(登場人物)
マサイ(20才)マサイ族の青年
アキバ(22才)アキバ系青年
達三(52才)ホームレス
不良少年A(17才)
不良少年B(17才)
不良少年C(17才)
メイドカフェ店員(21才)
トラック運転手(45才)



(作品コンセプト)
 何処でも同じだ。言葉はハート。心だ。心のこもった挨拶ができれば、誰とでも通じあえる。マサイと達三。マサイとアキバ。心が通じあえればこそ。言葉が自然に出てくる。アキバは「ジャンボー」と叫び。マサイは「萌え~」と叫ぶ。心が通じ合った瞬間だ。言葉は手段。その前段階に相手を理解するんだといったハートこそが、語学上達の秘訣なんではないかと思う。

(短編映画『ジャンボ&もえ~』)
○スクランブル交差点俯瞰(朝)
   信号機が変わるのを待つ車列。
   タイトル『ジャンボ&萌え~』が浮ん
   で消える。
    ×   ×   ×
   通勤通学で行交う人々を尻目に、槍を
   持って飛び跳ねる民俗衣装をまとった
   マサイ族の青年(20才)(以後マサ
   イ)。
○同交差点中央付近(朝)
   飛び跳ねながら、
マサイ「ジャンボー。ジャンボー」
   と繰り返し叫んでいるマサイ。
○サバンナ
   広大なアフリカサバンナをキリン、ゾ
   ウ、ライオン、シマウマ等が闊歩する。
○都会(朝)
   超高層ビルが並ぶコンクリートジャン
   グル。
○新宿駅(朝)
   通勤通学者でごったがえしている、何
   時もの殺人的なラッシュ風景。
○同交差点中央付近(朝)
   涙目で飛び跳ねながら、
マサイ「ジャンボー。ジャンボー」
   と繰り返し叫んでいるマサイ。
    ×   ×   ×
   不思議そうに見ていく者。
    ×   ×   ×
   そしらぬふりして足早に通り過ぎる者。
   様々な人々の様子をスケッチ。
○同信号機(朝)
   渡れの青信号機が点滅し始める。
○同交差点中央付近(朝)
   アキバ系青年(アキバ)(22才)が
   とぼとぼと、アイドルフィギアを愛お
   しそうに見つめながら歩いて来る。
    ×   ×   ×
   駆け足で交差点を渡る者達。
    ×   ×   ×
   同フィギアを愛おしそうに見つめなが
   ら、飛び跳ねるマサイに近付いて行く
   アキバ。
○同信号機(朝)
   渡れの青信号機が点滅している。
○同交差点中央付近(朝)
   マサイにぶつかり尻餅をつき倒れるア
   キバ。
   その瞬間手元から同フィギアが離れ,
   飛んで行く。
   尻餅を付いたまま焦って同フィギアを
   探すアキバ。
    ×   ×   ×
   アキバを覗きこむように見つめるマサ
   イ。
    ×   ×   ×
   一瞬マサイにたじろぐアキバであった
   がだだをこねるように、
アキバ「ぼ、ぼ、僕のキャンデイーちゃん     
 がー。(四方を見ながら)何処?何処?」
マサイ「?」
    ×   ×   ×
   道路に落ちた同フィギア。
    ×   ×   ×
   フィギアを見つけ、
アキバ「あっ!」
   アキバが見つめる方を見て、
マサイ「(笑顔)」
   槍をクルクルと回転させると、同フィ
   ギアを槍で突き刺すマサイ。
○同信号機(朝)
   渡れの青信号機が点滅から赤に変わる。
○同交差点中央付近(朝)
   槍に刺した同フィギアを笑顔でアキバ
   に差出すマサイ。
   槍に刺さった同フィギアを見て泣きだ
   すアキバ。
マサイ「?(首を傾げる)」
    ×   ×   ×
   クラクションを鳴らし車が一斉に走り
   出す。
    ×   ×   ×
   行交う車に怯え興奮して同フィギアが
   刺さったままの槍を構えて、身体を震
   わすマサイ。
 ×   ×   ×
   泣き崩れるアキバ。
○公園
   都会にある広大な公園。
    ×   ×   ×
   森からホームレスの達三(52才)が
   慌てふためき出て来る。
   達三を追い掛ける3人の不良少年達A
   ,B,C(17才)。
○同公園広場
   人々が集っている。
    ×   ×   ×
   餌を上げる人の側で鳩の群れが餌を食
   べている。
○同公園芝
   芝に胡座をかいて座り、ナイフで無心
   に木を削っているマサイ。
○同公園広場
   達三を追い掛ける不良少年達。
   かかわり合いたくないと見てみぬふり
   する人々。
○同公園芝
   達三を追い掛ける不良少年達。
    ×   ×   ×
   芝に胡座をかいて座り、ナイフで無心
   に木を削っているマサイ。
   マサイの目の前で転ぶ達三。
   達三を見つめるマサイ。
達三「ヘ、ヘルプ!」
マサイ「(笑顔)」
   後ろを振り向く達三。
   達三の向く方向を見るマサイ。
不良少年A「お前もやっちゃうよ」
不良少年B「ついでだよな」
不良少年C「ああ」
   怯えてマサイを見る達三。
   ナイフを鞘におさめ、槍を持つとゆっ
   くり立ち上がるマサイ。
   マサイの2メートルを超える身長にた
   じろぐ不良少年達。
マサイ「(苦笑)」
   怯み後ずさりする不良少年達。
○同公園ホームレスランド(夜)
   青いテントが並んでる。
    ×   ×   ×
   中央広場で焚き火を囲み、酒盛りを
   するホームレス達と達三とマサイ。
○夜空(夜)
   満点の星空。
○同公園ホームレスランド(夜)
   焚き火を囲みホームレス達とマサイが、
   「ジャンボー、ジャンボー」繰り返し  
   叫びながら飛び跳ねている。
○東京タワー全景
○同タワー展望広場
   集う人々。
   マサイと達三を汚いものを見るように、
   ジロジロ見ては通り過ぎる人々。
達三「よ、どうすんだい?」
マサイ「(笑顔)」
   展望ゾーンに近付き外を眺めるマサ
   イ。
    (以下マサイの目から見える風景)
○オフィスビルの中
    パソコンに向い働く人々。
○電車の中
    電車に乗って移動する人々。
○道路
    行交う車。
○トラックの運転席
    楊子を銜え運転する運転手(45
    才)。
○秋葉原電気街
   電器店が並ぶ通り。
   道行く人々に混ざってアキバが歩いて
   いる。
マサイ(声)「ジャンボー」
○秋葉原電気街
   人だかりをかき分け歩くマサイと、
   マサイの歩調に合わせ小走りに歩く達
   三。
○フィギアー店内
   ショウインドウに所狭しと並ぶフィギ
   アを見ながら、
マサイ「(興奮)ジャンボー」
   怪訝そうにマサイを見て、
達三「萌え~っていうんだ」
マサイ「?、モ、モ、モエエー」
達三「そんなこった」
マサイ「(フィギアをみて)萌え~」
○メイドカフェ店内
メイド店員(21才)「お帰りなさいませ。
 御主人さま」
   と言って頭を下げるメイド店員。
   入ろうとするマサイ。
   マサイの腕を捕って、
達三「銭がねぇ~んだ」
マサイ「(意味がわかったのか悄気る)」
○同電気街道路
   行交う人々に混ざって、前方を食い入
   るように見て歩くマサイと、マサイの
   歩調に合わせ小走りに歩く達三。
    ×   ×   ×
   人々が行交う中、アキバも歩いている。
マサイ(声)「ジャンボー」
    ×   ×   ×
   (以下スローモーション終りまで)
   人込みの中をかき分けしなやかに疾走
   するマサイ。
○スクランブル交差点
   信号が青になり一斉に渡る歩行者に混
   ざって、アキバも渡っている。
○同電気街道路
   人込みの中をかき分けしなやかに疾走
   するマサイ。
○スクランブル交差点
   立ち止まってアキバに向い、
マサイ「(叫ぶ)萌え~」
    ×   ×   ×
   振り向くアキバ。
    ×   ×   ×
   アキバに物体を投げるマサイ。
    ×   ×   ×
   くるくると空中回転する物体をキャッ
   チするアキバ。
    ×   ×   ×
   ゆっくりと手を広げると、木彫りのキ
   ャンディーちゃんが現れる。 
アキバ「(叫ぶ)萌え~」 
   マサイをみるアキバ。
    ×   ×   ×
   マサイが立ち止まっている所に、陽炎
   が立ち篭め秋葉原電気街が、アフリカ
   サバンナに。
○アフリカサバンナ
   背を見せてマサイが歩き去る。
アキバ(叫び声)「ジャンボー」
               【終り】