背骨が進行性に曲がっていってしまう病気が側弯症ですが、側弯症のうち約８割が、原因のわからない特発性側弯症だといわれています。２割は筋肉や神経の病気ですが、こればっかりはどうしようもない。そして、側弯症が出てくるまでに他のトラブルもあって診断がついていると思われるので、とりあえず学童期になって背骨が曲がってくるのは、ほとんどが特発性といっていいでしょう。

特発性側弯症は「思春期前後」の「女児」に多いことが知られており、なんとなく姿勢が悪いなーと思っていたら意外なほど進行していたりする病気でもあります。普段一緒にお風呂に入っていても、背骨が曲がっているかなんてよく見ていないことも多いし、思春期になって一緒にお風呂も入らなくなることもあるしで、発見が遅れてしまいがちです。５年生あたりで検診もありますが、予兆があればそれまでに見つけておきたいものです。

側弯症の嫌なところは、身長が伸びる間はいくら気を付けていても進行していってしまうこと。側弯っていうからには、横にずれているように思われるかもしれませんが、実は立体的にねじれてしまっています。そして、一度ついた脊柱のねじれは、その周りの筋肉を巻き込んで、大きくなっていってしまうことが多いです。ひどくない場合は、身長の伸びが落ち着くと同時に進行も止まりますが、ある一定の基準を超えると、それ以降も進んでいってしまい、重度の腰痛に悩まされたり、出産などで問題になったり、呼吸機能に影響を及ぼしたりと、その障害も多岐にわたってくることが知られています。

側弯の程度を調べるのは、背骨のレントゲンを撮って、Cobb角という歪みの数値を測定します。

＊画像はインターネットより拝借しています

Cobb角が２５°を超えるようなら治療介入が必要で、たいていは装具を作るところから始めます。この時点で、カイロプラクティックなどに走る人もいますが、残念ながらあまり効果が見られないことが多いです。装具療法がそして、Cobb角が４０°を超えるようであれば、将来的にももっともっと様々な影響が出てきてしまうので、手術で是正することが勧められます。

子どもの友達で側弯症が見つかって、せっせと整体やカイロに通っている（らしい）人がいますが、私からは何も言えませんが、せめて装具を作ったうえで民間療法をしてもらうほうがよいと思います。整体も絶対効かないわけではないし、施術者による差異が大きいのだと思いますが、少なくとも長年かけて育ってきたゆがみは一朝一夕では治らないので、日々装具を付けたり、姿勢に気を付けたり、コツコツ治療していく必要があります。

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