10月から、ヒルドイドの薬価が上がるそうです。

ヒルドイドはいまや、「皮膚乾燥症」に対するお薬としてもっともポピュラーなものです。

剤形も、軟膏、クリーム、フォーム、ローションといろいろなものがあり、副作用も少なく、風邪診療などのときにも保護者のほうから処方を希望されるくらい、一般に浸透しているお薬です。

アレルギーを専門にやっているものとしては、アトピー性皮膚炎の子供たちにとって欠かせないもので、ときには1回に何百グラムも処方することもあるくらい、重要なお薬でもあります。

このお薬がちょうど10年前くらいから美容業界で注目されるようになり、子供の名前で処方せんを出してもらって、実は大人が美容目的で使っているのでは、などという懸念がされるようになり、処方量もうなぎ上りに増えて、そういった背景から、薬価が見直されるに至りました。

ヒルドイドの処方による薬剤費用は、1年間で約1200億円にもなると言われています。

 

ただしこの改定、アトピー診療をしている私たちにとっては結構重大な問題で、ヒルドイドを処方する際に、いちいちレセプトという言い訳を書かなくてはいけなくなります。ひとつひとつのレセプトにかかる時間はそう大したものではありませんが、なにせ処方するケースが多いので、ちりも積もれば・・・で、業務にも多分に支障を来たす可能性があり、危惧しています。本当に必要な人にお薬を届けたいのに、いちいち言い訳をかかなきゃいけなくなるのも腹立たしいです。

 

ヒルドイドの利点は、副作用が少ないこと、ワセリンよりも塗りやすいこと、先にも言いましたが、いろいろな剤形があることです。ワセリンは安価だし保湿効果は高いのですが、多少油っぽくてべたつきがあるために子供も嫌がってしまうことが多いです。服もべったべたになって油まみれになってしまうので、高級な服を着ているときは使えません。。といってもヒルドイドが発売される前は、みんなワセリンやら尿素クリームやらを使っていたんですけどね、、、

 

ヒルドイドの主成分はヘパリン類似物質というやつで、ヘパリンは血液をさらさらにする効果がありますが、この類似物質というやつで血流が促進されるということなので、お肌つやつや、傷あとなども治りやすく、さらに美容的にはクマが改善されたり、お肌の血流が促進されトーンアップしちゃうというような効果があるようです。果たしてその真偽は・・・?というところですが。

 

 

これもうほぼ無印のと一緒。

保冷力もしっかりあります。