医療機関の問診票のお話。私見です。

医療機関を受診すると、その科によって決まった問診票なるものがあり、様々なことを書くことがあると思います。定期的に見直ししてはいますが、時にびっくりするような古い内容のものがそのまま出てきたりすることありますよね。

 

例えば予防接種の情報ですが、最近は母子手帳見れば見開きを一目見れば、どれが完了してどれがしていないかすぐに判断できますが、それでもヒブ〇回、肺炎球菌〇回、って書かせるところ、まだ多いですよね。個人的にはこれ、もう要らないと思っています。ほとんどの方が打っているわけで、打っていないときだけお知らせいただけたら、とか。

たまに幼稚園の就園時の書類や、小学校の就学前検診とかだったら、ひどいときには3種混合や生ポリオなんていう、今はもうとっくに打たれていないものが当たり前のように書かれていることもありますね。

あとは、出生してからの発達歴(首の座りが〇か月とか、歩いたのが〇か月とか)も必要なら聞くし、第一これも保護者が覚えていないことも多いし、要らない。

コロナ禍のときは、初期は2週間以内の渡航歴や病気の人との接触歴、人ごみへ行ったかどうかなどというような問診を入れていましたが、ちょっと前にこれはさすがに古い、ということで削除しました。味覚障害云々も一時は聞いていましたが、もう必要なくなりました。

他にもちょっとずつ追加されたり、削除されたりでアップデートされるところはされていると思いますが、案外問診票って、見直されることが少なくて、配る方ももはや時代遅れになってしまっている内容に気づかないことがあります。

 

で。

問診票ってでも実は、私はほとんど見ていなくて(失礼)、いち早く欲しい情報は、

例えば感染症の相談であれば

いつから、どんな症状があるのか、

熱があるなら現在の熱よりも、熱が出て以降、どれくらいまでの熱が出たのか、

家族内または周囲で感染症の流行はあるかないか、

今飲んでいるお薬はあるか、あるなら何を飲んでいるか、

くらいのもので、あとはいくら詳しく問診票に書いてくれていても、結局は直接聞きながらパソコンに打ち込んだ方が早いし確実。たまに、いついつに熱が何度になって、薬飲んで下がって、それから・・・ってずっと経過を書いてくれている人がいたり、メモを渡してきてくれたりする人もいますが、その辺の細かい情報は、必要であればこちらから聞きますし、とりあえず問診票は簡潔にで大丈夫だと思っています。

入ってもらって名前を言ってもらって座る間に素早く症状と経過を把握して同時にカルテに打ち込みを行っています。

 

感染症ではなくちょっとややこしい症例も、書いててもらうのを判読するより、聞いたほうが早い。

でも、一目症状をみて一筋縄ではいかなさそう、という旨の症状であれば、こちらも呼び込む前から心して臨むことができると思うので、あくまで簡潔に、症状を書いてくださっていたらそれで充分です。

あ、本筋とは離れますが、詳細に問診表に細かく書いてくださっている方は、「きっとこの方はすごく心配されているのだな」とか「すごくしっかり説明したほうがよいだろうな」というような保護者の性質は見て取れますので、一応それに対応できるような心構えができる点ではいいのかもしれません(笑)

 

ただ、聞きながらのパソコンの打ち込みが苦手な医師もいるだろうし、はじめに問診票を熟読してカルテに打ち込んでからじゃないと絶対に呼び込みしない医師もいるし、このへんは多分に人によるところがあるのでしょうね。

問診票に書いてくれてるのに、重ねて聞いちゃってごめん!ってときもあります。

そして、どうしても効率化を図ると、患者さんや親御さんと目を合わせる時間が減ります。必ず向き直って目をみてお話する時間は意識的に取ってはいますが、なかなか時間が取れないのが課題ですね。

もちろんね、入ってもらってまずにっこりご挨拶して、世間話でもしてから診察始めたいのはやまやまなんですけどね、今のこの外来の状況では難しいです。

みなさんのかかりつけではいかがでしょうか~。

 

 

保育園入園児にはお名前スタンプが定番ですね。

小学校になっても使えるように、小さい自体、縦書きがついているものがあればおすすめです。