ここのところ気温が不順で、体調崩しやすいですね。ぐすん

 

先日、こんな子をみました。

 

●月1日、発熱、鼻水、咳あり、耳鼻科を受診。喉が赤いと言われて、抗生剤フ〇モックスを処方された。(検査はなし)

●月2日、熱が下がらないので、◎小児科受診。抗生剤をエリス○シンに変更。

●月3日、咳も熱も持続、△小児科受診。抗生剤をトミ〇ンに変更。

●月5日、咳も熱も悪化し、☆小児科受診。抗生剤をジス○マックに変更。

●月7日、当院受診。

 

つっこみどころ満載チーンなのですが、ひとつひとつ指摘していきます。

 

①まず、最初に受診した耳鼻科さんに問題アリです。(ここではたまたま耳鼻科ですが、内科やときによっては小児科でもおなじようなことがあります)

喉が赤い、鼻水、咳、これは典型的な上気道炎の症状です。上気道炎は9割以上がウイルス感染ですので、抗菌薬は無効です。このとき、溶連菌など細菌感染の兆候がなければ(検査していないとのことでしたが)、抗菌薬は不要、むしろ害にもなり得ます。(なんで害になるのは、はおいおい説明します。)でも、のどが赤い、という理由だけで抗生剤を処方するお医者さんは、残念ながらまだまだ巷にたくさんいます。

 

②熱が下がらないので、違うところを転々と受診。

いわゆるドクターショッピングです。たいていドクターショッピングをされるお母さんは、人一倍一生懸命で悪気なんてさらさらないのですが、病気になったときには継続して経過をみるのが一番重要です。初診時と比べて、症状、所見、全身状態がどのように経過しているのか。医者を変えるときには、そのあたりをいちから説明できないと、このように延々と適当にお薬の種類を変えられつつ、しっかり診てもらえないことがあります。

 

③抗生剤を飲んでからの、次の受診の目安。

仮に、通常の上気道炎ではなく、細菌感染があると踏んで、抗菌薬を処方する場合、飲み始めてから、効果がでるまでにどれくらいかかるのかを知っておく必要があります。たいていは、抗菌薬が効いて熱が下がるなら2日以内に下がります。それ以上は飲んでも、あまり意味がないです。医者に抗菌薬を処方された場合は、いつまでに効かなかったら再診するべきなのか、説明してもらえなかった場合はちゃんと聞いておくべきです。

 

その後の経過。

結局、うちの病院に来て診察しましたが、熱はあるものの、元気で食欲も少しずつ出てきており、咳も改善傾向ではあるとのこと。肺炎や中耳炎などの合併症もありませんでした。抗生剤を中止するよう指示して、翌日には熱が下がりました。たまたま、もう下がる時期だったのですね。

このように連続して短期間に抗菌薬を多種変えられるケースは珍しいですが、抗菌薬処方を受けたときには、「何(診断)に対して、このお薬が処方されるのか」をはっきり聞いてほしいです。我が子に不要な処方がされることのないように、ママもただ受け身診療はやめましょう。

 

次回は、抗菌薬が害となったケースをご紹介。