風が強い日

それも北風

北風と太陽の旅人の気持ちがわかるような日

そんな日に限って外へ出る仕事が入る

だいたい都心でビル風がびゅうびゅう吹いてくる

ただでさえ強い風があちこちから集まってゆく手を阻む

 

足を進めている

進めているのに進まない

いつも思う

 

「今 この状態の私を無風空間から見たらパントマイムに見えるんじゃないか」

 

ああ 見てみたい

見てみたいのに 私は私を見られない

同じように歩いている人を見てもちゃんと進んでいるのに

私だけ進んでいないような気がする

なぜだ

 

また くるりと逆を向くと追い風に押されて走りたくないのに走らされてしまう

走りたくなんか、ないのに。

 

もし パントマイムが見える人がいたら

同じ空間に住む人がいたら

それがきっと私の運命の人

 

でもなぜかパントマイムってピエロというかクラウンのイメージ

もし運命の人がクラウンだったら

 

無理。

だって私 ピエロ恐怖症だから。

 

こわいこわい

風の強い日はキョロキョロしないでおこう

ピエロと目があったら風すら止むほどに怖いわ