こんにちは、ねこあしです![]()
16日まで、恵比寿の東京都写真美術館ホールで上映されているベトナム戦争2本立て・・・一時はマスコミから封印されていた惨劇を、戦争から50年経った今、改めて公開され、知る機会がありました![]()
まず、本日ご紹介させていただくのは「ウィンター・ソルジャー ベトナム帰還兵の告白」
1971年初頭に「戦争に反対するベトナム帰還兵の会」にて行われた、100人を越える参加者のもと、開かれた公聴会での帰還兵たちの戦争の証言をもとにしたドキュメンタリー作品です
ドキュメンタリーとゆーくらいですので・・・実際には、帰還兵たちのインタビューに応える姿のみが延々と語られていくだけの映像としてはむしろ地味な作品なのですが・・・
ただ。
その内容の衝撃さに、息を呑み、そしてその語られる内容の残酷さに何度も耳を覆いたくなった
あるアメリカ人兵士は言う。
「釣り目のブサイクなやつら。東洋人は、人間じゃないと思っていた。ベトナム人捕虜を、何人もヘリから落としたよ。目隠しをして、手を縛り、誰がより遠くまで飛ばせるか競うんだ。勝ったら、ビールだ。それに、より多くのベトナム兵を撃ち殺したやつが、勝ちだ。ベトナム戦争では、殺したベトコンの数で、評価が決まった。殺した証拠に、耳を削いで持ち帰るんだ。生きてる人間からは、まず無理だからね」
「ある地域の調査のために、僕らは向かった。でも、中々後方部隊が来なかったんだ。だから、退屈しのぎに、その村を撃った。彼らは、僕らが待ちくたびれたための退屈しのぎに村を焼かれたんだ」
人間の命が、ビールと引き換え・・・![]()
人間の命が暇つぶしの一環・・・![]()
人種が違えば、それほどまでに人間の命は軽んじてもいいものなのか?
余りのショックに言葉を失う。
カラダの一部を失ったら天国にいけないと信じている民族に向かって、身体の一部を持ち去るなどもってのほかだ(天国云々は、関係ないけど・・・そんなの死者への冒涜だ)
敢えて、そうすることで、それを見たベトナム人たちへの見せしめとするのだろうが、あんまりだ
「娘のいる家では、家族6,7人が見ている前で娘をレイプする。若い娘のいる家では、娘たちを外に出さないように、隠したよ」
「水をくれとせがむ女性の服を裂き、女性器から腹までナイフで割いた。そして、まだ水を求めている彼女の女性器にスコップを入れ、吊るしたんだ。水を求めながら、彼女は死んだよ」
「石を投げつけた少年の家を探し当て、子どもの頭ほどもある石をトラック一杯に積んで家の中に投げ入れたよ。彼がどうなったのかのその後は知らないがね、僕なら生きていないな」
これらの余りにも残酷な証言の前に、映像なんて、もはや不要だった。
一体どこまで人は、残酷になれる・・・![]()
ただ、マイクの前で淡々と戦場での記憶を語るだけの作品なのに・・・胸が締め付けられるほどの残酷な証言の数々に、涙を堪えるのが必死だった
死体はベトコンと見なされるため、たまたま撃ってしまったのが村人なら、迷わずに射殺するのだ。
そうすれば、死体になるから・・・。
証言した兵士たちに対して、勇気ある行動だと褒め称えるつもりは毛頭ない。
しかし、この報告をしたアメリカ兵たちを、どれだけの人が責められるだろうか?
この時代に、ベトナム戦争に行ったアメリカ兵たちは、「共産主義を倒すための戦い」だとだけ信じて、「国のために」戦っていたんだ(なんで共産主義がそこまで悪いとされなきゃならないのかは、そもそも不明だ)
「過去を記憶できないものは、同じ過ちを繰り返す」と、ジョージ・サンタナが語った台詞の意味を、再び考えるべき時が、今なのかもしれない。
人が人を人だと思わなくなるような・・・こんな悲劇は二度と起こしちゃいけない。

