萩本は、

今勤めている大手企業に入社する前、

とあるものを売買する仕事に

就いていました。


仕事は24時間体制で、常に待機状態。

給料に関しては、

やった分だけ収入になるし、

損失にもなるギャンブル的なもの。



社会保険は完備のようでしたが、

事務員以外は未加入で、

暇なときは、職場で寝たり遊んだり。


ゲームをして待機するなんて事も。


会社としてはゆるい職場で、

金儲けがギャンブル感覚で出来るので、

萩本には合っていたようです。


だけどもね?


24時間体制で、休みも決まっていない、

毎月一か八かの

そんな奴と一緒に暮らせると思います?



だから、


「世間様に聞かれて、

こういう仕事をしていますと

きちんと言える仕事で、

将来に不安のない仕事に

就く気は無いのか?」


「今後も今のような状態で、

仕事を続けていくのであれば、

一緒になるのは難しい」



となったわけです。


結婚して家族になると言うことは、

お互いがお互いを助け合って、

叱咤激励して、

泣いて笑って遊んで怒って。


お互いの存在を尊敬したり、

頼りにしたりで成り立つんじゃないかと

私は思っているので、

お互いがお互いに

バラバラに生活し、

お金だけ家に入ってくればいいという

萩本の考えに付いていく気は

ありませんでしたので。


(別居した理由にも、

これが前から入っていました)


普通の生活が嫌なら嫌で、

私と別れてどっぷりそっちに

つかって生きていくという選択肢も

あったのに、私の方を選んだわけです。


なのに、私の意見を尊重したと言い、

大手企業に就職できてしまった萩本。


私の為だそうです。

私と一緒にならないのであれば、

将来の安定なんてどうでもいいから、

今すぐにでも辞めて、

手っ取り早くお金を稼いで稼いで、

稼ぎまくるそうです。


(えぇ、既におかしいですよね

私のせいで、稼げなくて

思い通りに欲しい物も買えず、

不満だし不安だと言っているのです)


1年目から私と同じ手取り。


少ない、やっていけない、ふざけるな。


でも真弥が望んだことだから、

がまんしているんだと、

そんな言葉を言い続けていました。


なので私、以前にキレました。


何年勤めても、

あなたがやっていけない、

ふざけるなという収入で、

私は何年も耐えて生活してきた。


あなたと違って、

職場はめちゃくちゃ、無法地帯。


1年目で同額を貰えてしまう事の方が、

私からしたら、納得いかないくらいだ。


私が給料や職場のことで漏らすと、

あなたは私が贅沢、間違えている 


と言ってきたのに、

自分が同じような立場になった途端、

自分が被害者ヅラして、

私の為に少ない給料で耐えているとか、

言わないでくれ と。


でも、


真弥が言ったから。


真弥の為に。


真弥のせいで。


彼はこの言葉で私を支配したあと、

最後には

【好きだから】だと言い訳する。



真弥の事を思って・・・。


だからこうしているのに、

どうして真弥は・・・・。



彼自身は気が付いていないと思うけど、

私の為だと言いながら、

結果的に自分のために言っている。


思いやりと、

自分の思い込みでの親切を、

履き違えていると思う。


証拠として、

転職活動を止められた事により、

未だにモラハーランドに在籍し、

私はここ数ヶ月、3時ころに目が覚める。


私も揉めることを避けたいが為に、

自分の意思を通せなかったので、

私にも責任はあります。分かってはいます。



あの時、転職活動をあんな形で

阻止されなければ、

今違う職場にいられたら、

少なからず、

催促の電話に出続ける日々に

悩まされてはいないはず。


この話しでもたまに揉めます。


1年半くらい前、

ギャンブラーな生活で、

そこそこ儲かっていた萩本から、

今なら貯金があるから、

暫くの間の生活は面倒見れるから、

会社を辞めて、転職活動すれば?


と言われていた時期があります。



今更何言ってんだ?

もう遅いんだけど?


っていうのが本音でした。



前回本格的に転職活動をしていた時、

転職活動ギリギリセーフの年齢、

34歳の時でした。

私の方が収入が増えるような現象が、

万が一にでもあったら、やる気をなくす。

その歳で、スキルアップだなんて不可能。

夢みたいなこと言っていないで、

現実を見ろ。

そういって、私のやる気とチャンスを

全面的に否定と拒否をした。

無理だと言った。

不可能だと言った。

現実を見ろと言ったのは自分なのに、

何言ってんだ??って頭に来ました。


今更この歳で、辞めてしまって無収入になって、

転職先が決まるまでの間、

いったいどれほどの期間になるのかなんて、

想像もつかないのに、

36歳なんていう年齢で、

今度は転職先が

決まらないというプレッシャーを

与えられながら生きろというのか?


面接先はどう思う?


私が面接する立場だったら、

その歳で、母子家庭で、

辞めて転職活動?


ちょっと計画性が無さ過ぎでは?


って思うと思う。



そんな恐ろしい事、

私には受け入れられなかった。


なのに


やってみなけりゃ

わからないでしょ?


とか言ってしまう萩本。



これだけ長くつきあっているのに、

子どもという一人の人間の人生を、

支えながら生きている私の

責任や重圧を、理解できないんだと、

がっかりしたことを、忘れられない。



俺がお金はなんとかするから。



それが彼の思いやりだった。



私が欲しい思いやりは、

お金じゃない。



これ、私のわがままで、

エゴなんだそうです。


私だって、

お金は欲しいですよ。


でも、違うんだと言っても、

理解してもらえない。




そして今でも、

まだ前の職場に未練があり、

戻りたいと思っているようです。



つづく