モデルルーム見学1軒め。

 

大阪市は、御堂筋より西側はもともと海で

そのため、南海トラフ地震が起こって大阪湾に津波が押し寄せたとき

梅田駅は水没すると言われています。

実際、阪急百貨店あたりの海抜は0.4メートルでした。

家を探すに当たってまず私がしたことは、市内のハザードマップを見ること。

南海トラフによる津波だけでなく、淀川・大和川の氾濫も想定して

とにかく被災しないところ・・・それは絶対に譲れない条件でした。

その希望をSUUMOの方に伝えて、その他の条件を鑑みて紹介してもらった物件の一軒目。

 

上町台地(大阪城から住吉大社のあたりまで続く大地。ヒルトップは標高25Mほどになります)の南端。

阿倍野区。

あべのハルカスのある天王寺から御堂筋線で1駅。昭和町駅から徒歩10分ほど。

昭和町の駅前には、ライフ(スーパーマーケット)があり、スギ薬局があり、商店街もあり

まぁまぁ暮らしやすそうな町でした。

マンションは、阪堺電鉄の駅にほど近く。

ハルカスのあたりまで買い物に出るのには便利そうなところ。

広い通りから一筋入った下町の雰囲気が漂うところにありました。

 

すでに完成している物件で、9割ほどは入居しているとのことで

モデルルームは棟内にあり

それ以外にも実際のお部屋を見ることができました。

マンションの入り口でインターフォンを鳴らし、名前を告げると販売担当の会社の方が出迎えてくれて

まず事務所として使われている部屋に通されます。

ここも最終的には家具付きで販売することになるそうです。

 

まずアンケートに記入。

住所、名前、連絡先から会社名、年収、購入予算などを記入します。

次に物件の説明。

立地やマンションの管理の面や駐車場のことなど、完成物件だけあってかなり細かいところまで説明がありました。

この営業の方がとっても誠実な方で、物件が気に入ればこの方から買いたいなぁと思ったくらいです。

そこで聞かれたのが(というか後にも先にもこんなことを聞いてきたのはこの方だけだった)

「どんな暮らしをしたいですか?」

 

正直、考えたことがなくて

「安心して暮らせることですかね・・・」としか答えられなくて

もしかしたら、そういうことはもっときちんと話しておかなければならないことだったのかもしれないって

今更ながら思っています。

改めて考えてみると

私はまず、最重要条件は津波でも水害でも浸水しない場所・・・なのですが

それ以外は、といえば

日常の暮らしがしやすいこと。具体的には、スーパーやコンビニなどが徒歩圏内にあり

病院が近くにあって、郵便局や銀行なども徒歩圏内にあること。

彼は、車がなくても生活できる、都市部の地下鉄の駅に近い場所で

駅からマンションまでの間に、そこそこの飲食店があるような場所がいいと考えているみたい。

 

たぶん、その営業さんが聞きたかったのは

家にどれくらいお金をかけられるか・・・ってこと。

実際のところ、自己資金として用意できる金額と、私たちふたりの年収を合わせたら、そこそこの金額の物件が買えます。

けれど、この先あと何年働くのかってことを考えると、

その上限まで家に使ってしまうと

それ以外の・・・たとえば、このコロナが落ち着いたら年に1回は海外旅行に行きたいとか

趣味にお金をかけたいとか、そういう暮らしは望めなくなります。

ある程度のまとまった現金を保持しつつゆったりとした生活を楽しみたいのか

旅行とか趣味とかはあまり興味ないから、希望に適う家を買いたいのか・・・

それによって、「理想と現実」が見えてくるから、あとはそのすりあわせってことなんだろうと思いました。

 

さて。その阿倍野元町の物件ですが

部屋に入った瞬間・・・・「狭・・・・」って感じたのが正直なところ。

でもまあ。これはこのマンションが狭いわけではなく、

私が今住んでいる家が、ひとりで住むには十分すぎる広さだから感じたわけで

おそらくどこもこんな感じなんだろうなぁと自分に言い聞かせて内覧しました。

いくつかのタイプ(間取り・広さ・階数)を見せてもらって

「ここならいいかも」と思ったのは、予算の5000万を軽く超えた5600万の部屋。

8階で東南の角地。バルコニーから生駒の山が見えて

バルコニーは東に面しているものの、各部屋南側に窓があって、めちゃくちゃ良かった。

キッチンにもお風呂にも窓があるから換気の点からも申し分ない。

こちらの好感触を見て、かなりまとまった額の値引きも提示してくれました。

迷ったのは、このマンションがある意味「売り」にしていた「マルチクローゼット」が

このタイプの部屋にはついてなかったということ。

このマルチクローゼットがものすごく使いやすそうだったから

ここで悩む・・・・・

マルチクローゼットのある部屋で、まだ残っているのは角部屋ではない上にちょっと狭い。

角部屋のこの部屋は、インはできるけどウォークはできないウォークインクローゼットで

収納が少ない。。。。悩む。

結局、ほかの物件を見てからにしようということになり

お返事は保留してこの日の物件内覧は終わりました。

説明も含めて約3時間・・・さすがに疲れました。

 

 

モデルルームをあとにして、天王寺に戻りながら物件について話をしたところ

立地(住環境)に関しては、彼は気に入っていたようでした。

下町っぽい雰囲気がこれまで住んでいたところと似ているとのこと。

私も、こんなものなのかなぁ。。。と思いつつ、どこか決め手に欠けるように感じてました。

 

土地を買って、設計から始める注文住宅とは違い

マンションや建て売りは、なにかを妥協しなければならない。

それはわかっていたけれど、なにを妥協するかが、

このときはまだ自分たちの中でもはっきりしてませんでした。

しかもこのときはまだ、「急いで決めなくてもマンションはいくらでもある」と彼は思っていたので

このあと少し険悪な雰囲気になってしまったのでした。

 

つづく。。。。。