なかなか筆が進まない。
書き出そうとすると余計な記憶が次々蘇って来て邪魔をする。
ここには酒屋と細い道路があったはずだが。
すっかり見晴らしが良くなっているな、というのが第一印象。
この二人の人影が写っていたと知ったのはだいぶあと。
とにかく何も考えず機械的にスマホのカメラを向けていたようなのだ。
「爆弾でも落ちだみでだなや」
見知らぬ男性が誰に対してでもなくそう呟いた。
門脇小学校脇に降りる階段の途中でみんな足を止めてしまう。
我が母校はこんな有様だったから。
だがじきにこのトタン屋根の上をバキバキ音を立てて歩き始めた。
足の下に誰かいるかも知れない、とは全く考えなかった。
しばらく道というような道がなかった。
まさしく「焼け野原」だった。
ようやく道らしいところに出た。歩きやすい。
これは、ファミマか?
内海橋。
時折人と出会ったが、特に会話をするわけでもない。
皆自分のことで精一杯だった。
観慶丸。
中村屋旅館もまだ外観はたもっていた。
驚いたのは少し坂を登っただけで景色が一変すること。
避難所になっている石巻中学校に貼られていた。
一枚一枚から必至な思いが伝わって来るようだった。
写真の削除方法がわからない。後ほどゆっくりと。