4月28日(入院2日目)
朝になり、検温に来た看護師さんに、昨日眠れなかったことを訴えましたが、見回りはしないわけにはいかないと言われ、眠剤を出してもらうことになりました。
これから食事の前に血糖値を測定することになったということで、間食は禁止だと言われました。
「また、あの内科医のしわざに違いない!」と思いましたが、もうどうでもいいと思いました。ふだん間食はあまりしなかったので。
9時を過ぎると看護師さんから番号札を渡され、「教授回診がありますので、放送があったら処置室の前のベンチで待ってくださいね」と言われました。
放送があって行ってみると、処置室は研修医や学生たちであふれかえっていました。
大学病院ならではの光景だと思いました。
こんなにたくさんの人に見られるのは嫌だと感じる人は結構いるだろうと思いましたが、私は平気でした。「私を題材に立派なお医者さんになってくださいね」と思いました。
教授から「血は出ますか?」とかいくつか尋ねられましたが、すぐに回診は終わりました。
午後になるとH先生から呼ばれて口腔外科外来に行きました。
「口の中は汚くて、このままでは差し障ります」と言われて、歯科衛生士さんから歯石をとってもらいました。併せて歯磨き指導も受けましたが、こういうことは手術が成功してからにしてほしいと伝えました。
ネオステリングリーンという、うがい薬をもらい、うがいを続けるように言われました。
空いた時間はもっぱら本を読んでいました。
面会室には本棚があり、たぶん患者さんが寄贈したと思われる本がたくさん収められていました。
その中で、たけさんの「ボクもわかった不思議なありがとうのチカラ」が真っ先に目に飛び込んできました。
脳梗塞になった方の手記でしたが、読むと目頭が熱くなってきました。
幸せとは気づくもの。
当たり前のことがどれほどありがたいことだったか。どれほど幸せだったか。
争う心は吐きなさい。捨てなさい。
いくつもの言葉をメモ帳に書き留めました。
私は、今は当たり前のことがふつうにできるけど、術後はたぶんできないことだらけになるだろうと思いました。
夕食が運ばれてきましたが、やはり量が足りません。
でも、昨日と違って晩酌なしに食べることが、全然苦痛に感じませんでした。
昨晩のことがあるので、デザートのバナナは夜食にとっておくことにしました。
この日は21時半に寝ることができましたが、22時の「おやすみなさい」のアナウンスで起こされてしまいました。出してもらった眠剤を飲んだところ23時に寝付くことができました。