昇君と典文君は愛子さんの実家に来ていました

最初にLINEで澄香さんが詳しい事情を書き

二人が訪れることを知らせてあったので

愛子さんの母親は心配で胸が潰れそうな

父親も憮然とした顔で

二人を迎えてくれました

昇君は挨拶もまともにできないのですが

愛子さんの両親はそれどころじゃありません

 

「それで、愛子からは何も連絡はないんですね

私たちもLINEをもらってから

何度も連絡してみたんですけど

全く返事はありません」

 

典文君が今回、こうして訪ねてきた理由を

てきぱきと話

あのメモの話をしました

『2月28日

朝、7:00』

何か心当たりがないか聞いてみても

何も知らないと言います

すると、愛子さんのお兄さんも心配そうに

 

「あの、愛子の親友の佳苗ちゃんが

知らないんなら

やっぱり中学のころじゃないかな

佳苗ちゃんとは本当に仲が良くて

高校の頃はしょっちゅう、お互いの家に

泊まったりしてたし

あ、うちの嫁が愛子より二つ下で

同じ中学出身だから呼んで来るよ」