綴りは別物だけど、発音すると、お馴染みの有名香水と、一緒♪手前が今回の主役の、ミスディオールシェリー

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2005年に発表のクリスティーナ・ナジェルの作品である、ミスディオールシェリー。以降はこれをオリジナルも呼ばせてもらう。今回手に入れたのは、それのそっくりさんだ。

今店舗で手に入るのは、オリジナルが改訂されたものだ。つまり、オリジナルと改訂版は香りが異なるのだが、そのオリジナルにそっくりとの評判を聞きつけて、手に入れた。

有名香水のそっくりさんを沢山扱っている、イギリスのショップで買った。形態はオイルベースの香水、つまり香油だ。

このショップは、ファッションブランドはもちろん、メゾン物も豊富で、TOM FORDやジョーマローンまである。

「高価な香水そっくりにできているので、お金の節約になります」との謳い文句で生業を立てている。

香水の需要が高く、日用品になっている海外だからこその、商売だ。いいものを安くの精神は日本にもあるが、高いなら自分で作ってしまえの発想は香水にはないから、せいぜいネットやドンキでセール品を探すしかないのが現状だ。だから、こんな商売ありなの?!と最初は驚いた。

そんな商品達の出来不出来、使う使わないに人格の品位を問うとか、このビジネスモデルに関する倫理についてなど、日本で展開したら色々と意見が分かれそうだが、今回の目的は、改訂によって失われたオリジナルを探すことなので、いち香水ファンとして、この香りを純粋に味わいたいと思って手に取った。

立ち上がりは、オリジナルと比べてジューシーさがイマイチで、もっと柔らかい。オリジナルはもっと軽快なストロベリーだった。一方のそっくりさんは、何のフルーツか釈然としない、駄菓子的なフルーツ香だ。これは、処方の差という原因の他に、オイルベースとアルコールベースの違いが、トップの成分の揮発量の違いになっているせいだろう。

ミドルノートはとてもオリジナルに似ていて、フルーツにパチュリの効いたムスクが、生き生きとした印象をただよわせる。フルーツの甘さをじわじわ感じさせつつ、オリジナルがシャネルのココマドモアゼル似と言われた所以であるシャープ感もあり、なかなか良くできている。

そしてミドル以降はこの香り方をずっと続く感じで、ラストノートになってもあまり変化はない。オリジナルのミドルからラストも、私の肌ではこんな風だったので、こういった細かいところまで、しっかりとそっくりに作られているのだろう。

オリジナルとそっくりさんの比較をしているくせに、申し訳ないのだが、残念ながらオリジナルは記憶の中にしかない。だから断言は出来ないが、全般を通して非常に特徴を捉えられていると思った。そして、もうオークションサイトでオリジナルを血眼で探す必要を感じなくなったことに、とても感謝を覚えた。

さて、実はディオールの名香デューンのそっくりさんも一緒に買ったのだが、こちらの出来は散々だ。高い空を思わせるハーバル調のトップノートは、残念ながら菊花風のムスキーなグリーンに。無機質な砂漠を思わせるミドル以降も、悲しいことにオイルベースが仇となり、トップノートのへんてこなグリーンがいつまでも消えないがために、おかしなことになっている。

恐らくこのショップの裏で頑張っている技術者、または卸元の技術者は、現代風の清潔感溢れる香りを作るのが得意なのだろう。一方、デューンのようにベースノートがはっきりとした骨格を持った、あまり今どき風ではない香りは、苦手なのかもしれない。

しかし、得手不得手以前に、そもそも原料が手に入らない事も想像出来る。往年の香水に使われていた原料が、規制で買えなくなったり、使える量が限定されたりするので、有名な香水が次々と改訂されていくのだ。

だから、私のような、昔のバージョンにそっくりな香りを探す人が出てくるのだ。

以上のことから、このショップで買うなら、原材料が調達しやすい21世紀生まれの香りなら、再現性も高く、満足行く買い物ができるかも知れない。

と言うわけで、そっくりさん香水にはまったので、しばらくはそっくりさんについての投稿が続くことになりそうだ。ご興味があったら、ぜひまた訪問して頂けたらと思う。