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はてさて、ネジの落ちたキョコさんやどうなる？
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目が覚めてから、しばらくは大騒ぎだった。
ありがたいことに話題となった主演のドラマ最終回前の特別番宣テレビジャック、そんな１日の終わり。ラストなお仕事のバラエティーへの出演が終わり、番組プロデューサーや共演の方々にスタッフさんへの挨拶を済ませ、私に用意された楽屋へと移動していた……筈だった。
楽屋への廊下が、床にへばり付いたガムを剥がしてピカピカつるつるに磨いて更にオマケにワックスまで掛けちゃった、そんなどこかで聞いた事があるような事件が起こっていたなんて知りもせずに。
ハードスケジュールだったドラマの撮影の日々に、早朝からの番宣を経てくたくただった私はそれはもう見事につるんとひっくり返った。しかも、なんとも運の悪いことに何故か廊下に置かれていた大きなエジプト的置物に強かに頭をぶつけたらしい。
きゅう〜っと意識を失った私はそのまま病院へと運ばれ、頭を打ってるのだからと検査もしたが異常はなし。ただ眠っているようにしか思えなかったそうだ。
けど、私の意識は戻らず、原因もわからぬままにみるみる生存活動を止めて……手のつくし用もなくあっという間に心肺停止。ご臨終……と、なっていたらしい。
死亡したと思ったらなんかわかんないけどひょっこり生き返った患者として、ドクターからは興味深気に診察に検査。
椹さんは泣いてるし、社長は復活祭だ！なんて病院に迷惑行為な大騒ぎをし始める。
ノートを散乱させる天宮さんと復活の儀式の贄だなんてよくわかんないひと型のキャンドル片手のマリアちゃんにはボロボロ泣かれて、三途の川に行ったって話をしたモー子さんには「次、そんなとこに勝手に行ったら親友やめるわよっ！！」なんて叱られた。(怒るモー子さんの目の端が赤くなってたのが嬉しくなっちゃってニヨニヨしちゃって、なおさらに怒られたけど)
１番驚いたのが、凄い勢いで病室に飛び込んで来たお母さん。
きょとんとした私と目が合うと、ギュリギュリッて凄まじい眉間のしわを作ってみせた。その後を追ってやって来た藤道さんがこっそりとお母さんの足もとを指差して教えてくれたけど……お母さんは左右バラバラまったくちくはぐなサイズとデザインの靴を履いてたのだった。
そんなこんながあって。そう、私、絶賛あの世から黄泉がえり女な訳であります。
そんな臨死体験？と言いましょうか、死の淵を体験した所為なのか
どうやら、私からネジが緩んでハズれてぽろりと落ちたらしく……とある欲求がどうしようもなく抑え難くなってしまいました。
万物の霊長たる人間も所詮、動物。理性を紐解かれた後の残されたもの。
自らのＤＮＡを次代へ繋ぎたいという、種の起源たる本能。
そう…………子どもが欲しい。その抑え難い欲求。
今なら、年間を通す大河ドラマを撮り終わった今なら。ありがたいことにドラマや映画のオファーはあれどもまだ正式な契約もなく、ＣＭやレギュラー番組もない今なら…………妊娠出産育児の間のお仕事の調整も可能な筈で。それに、出産にしろ育児にしろ若くて体力のある今の方が良いとも聞くし。
愛の使者を自称する社長だけあって、所属の事務所は保育施設等や育休などのケアも手厚い。
シングルマザーであろうといいじゃない。例え、世間の目が多少冷たくとも、私だって何だかんだでそれなりに育ってみせたのだもの。
ニュース番組で、一人の子どもを出産から大学まで行かせて成人させるまで掛かると言われている費用はおよそ３０００万だと聞いたわ。
大丈夫。番組やコラボ企画なんかで取った便利グッズ系の特許なんかもいくつか。それに１６歳から２１になる今までこの業界で働いて来たから、そこそこの貯蓄もある。最悪事務所をクビになったとしても母子ふたりならそれなりに暮らしては行けそうだ。
昔は自分が母親になるなんて想像も出来なかったけど……
今、どうしても自分の子どもが欲しい。
そうなれば、問題はひとつ。
残念ながら霊長類ヒト科ヒト属ホモ・サピエンスな人類たる私では、単体生殖は不可能である。
なによりも、地獄の底まで胸に秘めると決めた恋心を抱えた私。不相応にも敦賀さんへと抱いてしまったこの恋は叶うことはないのだから……
あくまでも欲しいのは子どもであって、恋人でも夫でもない。
責任など求めない。寧ろ、子どもさえ出来たならば、その後の関わりなどいらないのかもしれない。
はっきりと言うなれば、種さえくれれば良いのだ。
グッと、手のひらを握りしめて心に決意する。
誰かに…………男のひとへと、白羽の矢を立ててしまおう。
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あるらしいですぞ？
死にかけ体験したあと、子どもが欲しくてしょうがなくなる事が。
(*ΦωΦ)
| 壁 |д･)
なんだろう？この話は。誰が楽しいのやら？？
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。
