リクエストで人魚の涙の尚を書いたらコメントでみえぶた様にもう一人気になると言っていただいちゃったんで、ぽちぽちと。
ただ、本誌ではもう出てらっしゃるみたいですけど、猫木コミック派なんで冴菜さんの設定がオリキャラに近いかと………
ご了承ください。
「人魚の涙」という暗く救いのない話の番外編的なものとなります。
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年の瀬の近付いた時期に珍しく暖かな陽射しを感じる日。
海へと続くなだらかな道。
黒髪のすらっとした女性が車椅子を押して歩くのが見える。
車椅子のあの子に掛けられたブランケットから覗くひどく細い手。
白い顔色のあの子は黒髪の女性と笑う
薄い薄い微笑。
儚げなそれをしばらく見つめてから踵を返す。
彼女たちに背を向けて歩き出す。
通りまで歩きタクシーを捕まえようかと思っていると、一人、直立不動に立つ男がいた。
「お会いにならないのですか?」
褐色の肌の青年が尋ねる。
あの子のお世話になっている社長の秘書だというその青年。
「今更どんな顔で会えと?………あんなに弱るまで放っておいて今ごろになってわざわざ?」
冷たい声と唇に乗せた冷笑。
でも、握りしめてしまった手が震えるのを見られたくなくて足をはやめる。
表情を変えないその男とすれ違いざまに
「あの子のことをお願いします。」
小さく小さく零す。
男が礼をとるのを感じながらも足は止めない。
もう、会うことのないあの子。
私を見れば、完璧な自分であろうとしてしまうだろう。
ヒールの立てる硬い音だけがついてくる。
涙なんて流さない。
本当に、今更なのだから。
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猫木の中での冴菜さんの設定は、「不器用で厳しく寂しいひと」です。
さて、何気なく作ったテーマ「リクエスト」ですが、今のところ人魚の涙の番外編の場所となってますね。この先他にリクエストがあるか謎なんですけど、人魚の涙の所に入れるのは、あの話の終わりをあれ以外にするのはなんか違うなぁと思ったので。
「人魚の涙」はなかなかに思い入れの深いお話なんで別視点の話を読みたいと言ってもらえるのも嬉しいものです。