2024年5月18日(土)~2024年6月2日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場

 

原作:クシシュトフ・キェシロフスキ / クシシュトフ・ピェシェヴィチ
翻訳:久山宏一
上演台本:須貝英
演出:小川絵梨子/上村聡史

 

「デカローグ5 ある殺人に関する物語」
福崎那由他 / 渋谷謙人 / 寺十吾 / 斉藤直樹 / 内田健介 / 名越志保 / 田中亨 / 亀田佳明

 

あらすじ

20歳の青年ヤツェクは、街中で見かけた中年のタクシー運転手ヴァルデマルのタクシーに乗り込み、人気のない野原で運転手の首を絞め、命乞いする彼に馬乗りになり石で撲殺する。

殺人により法廷で裁かれることになったヤツェクの弁護を担当したのは、新米弁護士のピョトルだった......

 

「デカローグ6 ある愛に関する物語」
仙名彩世 / 田中亨 / 寺十吾 / 名越志保 / 斉藤直樹 / 内田健介 / 亀田佳明

 

あらすじ

友人の母親と暮らす19歳の孤児トメクは、地元の郵便局に勤めている。

彼は向かいに住む30代の魅力的な女性マグダの生活を日々望遠鏡で覗き見ていた。

マグダと鉢合わせしたトメクは、彼女に愛を告白するが、自分に何を求めているのかとマグダに問われてもトメクは答えられない。

その後デートをした二人、マグダはトメクを部屋に招き入れるが......

公式サイトより

 

プログラム5と6

全10話の中でも
人気と評価の高い2本だそうで、
なるほど、確かに感情の揺れ幅が広くて
面白かったです。
 
エピソード5は、
タクシー運転手を絞殺するさま、
死刑宣告されてからの動揺するさま、
絞首刑にされる直前まで暴れまくるさま、
が、かなりリアルな演技で演じられていて、
 
二つの殺人
 
というのが最初、
意味わかんなかったのですが、
 
タクシー運転手殺し
法による死刑
 
で、
二つの殺人なんだと、
罪を犯せば、
罰は当然と思ってた自分にちょっと
ゾッとしましたが、
 
でも、じゃあ、どうすれば
良かったのか……
 
問題を問いかけるというのも、
フィクションの存在意義でもあります。
 
エピソード6は
コミュ障陰キャが覗きをしていたところ、
それがバレてなぜかデートに誘われ、
しかも、自分に好意を寄せてくるので、
逃げだしてしまった。
 
という、もう本当に
身も蓋もないお話なのですが、
 
わかる。
見ているだけでいいってのは、
あるよね。
 
蛙化現象を文学的に表現した
というと、余計に身も蓋もないけれど、
人の心の複雑さに溜息をつきつつ
劇場を後にしたのでありました。