「まさかほんまに来れると思わんかったで」
「きっと、砂場はあります、いうた人も『すなば珈琲』ができるとは思わんかったろうな」
「そやね」
「さて、何にしよ」
「おかゆはうまいけどすぐお腹減ってまうしな」
「トーストもそうやね」
「したらおにぎりにしたろ」
「すんません、おにぎりできるまで店の中見とってもええですか?」
「どうぞ、いうてくれたな、やっぱりええ店や」
「単孔目にやさしい店やねんね」
「これ、すなば珈琲に来はった人が来たとこに押しピン押しはったんやて」
「すごいなー、日本中からぎょうさんの人が来てはるんやね」
「うちらも押したろ」
「やっぱりここは今住んどるとこやね」
「これはまたすごいね」
「ふんふん、砂でできとるんやね」
「モアイさんやね」
「こんにちは、うちらイコズです」
「元は西日本出身やねんけど、今はJR東日本エリアに住んどります」
「交通系ICカードが相互利用できるようになったんで、東日本エリアに引っ越したんやで」
「会えてうれしいで」
「おおっ!こちらには有名な方が」
「ヒンドゥ教の神様でっか?」
「ちゃうで、マツコデラックスさんや、ま、ある意味バラエティの神様みたいなとこありよるけどな」
「こんにちは、TVで拝見するよりもスマートっていうかぺったんこいうか、なんですね」
「うちらイコズです」
「・・・って、書き割りやで」
「ふんふん、マツコデラックスさんにすなば珈琲に来てもらおうプロジェクトやねんね」
「あれ?うちらは呼ばれてへんの」
「うちら、そないに有名人とちゃうねんで」
「そやねー」
「マツコデラックスさんが来てくれるとええね」
「ほんまやね」
「おにぎり来たで」
「むぐむぐ、うまいな」
「卵焼きついてるで」
「少し甘くておいしいね」
「カメノハシさんは甘い卵焼き作ってくれへんから格別やね」
「これも神様のおかげやね」
「このあとどないするん?」
「カミノハシさんは、鳥取に『コノハズク』見に来たんやて」
「コノハズクか!」
「どないしたん?」
「コノハズクは難しいんや」
「コノハズクさんがか?」
「コノハズクさんは『仏法僧』って鳴くんや」
「ふんふん」
「そやけど昔、『仏法僧』鳴きよる鳥さんは別の鳥さんと思われてたんや」
「なんと!」
「せやから、全然別の鳥さんで『ブッポウソウ』いう名前のついた鳥さんがおるんや」
「さよか」
「でも『仏法僧』って鳴きはるのはコノハズクさんで」
「ブッポウソウさんは『仏法僧』って鳴きよらんのか?」
「その通りや、な、難しいやろ?」
「さよか、ってなんかあるで」
「立派な時計やね」
「駅前の広場にあるんやから、さっきも見たんやけどね」
「あの時はお腹すいとったからなー、気付かなかったんやろな」
「ふんふん、夢時計21いうんやね」
「まれちゃんと一緒やね」
「朝ドラのか?なんでや」
「夢、どけー、ってな」
「あほかー」
「ふんふん、この車借りてコノハズクさんとこ行くんやね」
「挨拶するとき間違えて『ブッポウソウさん』って呼ばんように気をつけないとあかんね」
「そうやね」
「出発や~」
すなば珈琲に行ったイコズがうらやましいカメノハシです。
まだ鳥取の旅は続くみたいです。










