「最近、人気のお店やさんがあるんやで」

「そら人気のお店やさんはありよるやろ」

「うちが気になっとるお店やさんは開店してもう大分経つのに未だに行列ができとんのやて」

「さよか、したらカメノハシさんは連れてってくれへんな」

「そうなんやけど、そのお店の名前『エッグスシングス』いうんや」

「さよか」

「スイコはん、エッグって英語で『タマゴ』のことやで」

「さよか~~~~!!」

「な、行きたいやろ」

「そや、行かんと卵を産む哺乳類の名がすたる、いうもんやで」

「でな、うち調べたら、横浜店はそんなに並ばへんでも入れるらしいんや」

「なにやさんなんやろね」

「多分卵が歌うたって聞かせてくれはるお店やないかと思う」


・・・・いや、スペル違うから



「頼んでみるもんやね」





「ここや、おされなお店やね」





「ふんふん、ここはパンケーキのお店やさんやねんね」

「ふんふん、ハワイ風のパンケーキなんやね」

「卵は歌っとらんみたいや」

「今日は平日やさかいな、土日は歌っとるのかもしらんね」

「あ、エッグベネディクトやて!」

「卵なカンバーバッチさんなんやろか」

「シャーロックの役者さんやね、あの人も卵産みそうな雰囲気ありよるもんな」


「お店のお姉さんのおすすめはガーリックシュリンプ、やて~」

「エビのにんにく風味のお料理やね」

「うまそうやね~」


「そやけど、パンケーキもはずせへんしね」

「ここのパンケーキはすごいんやて~」

「楽しみやね」

「ツイッターで写真よう見かけるで」


「今の時間帯だけ頼めるいろいろなくだものが乗ったパンケーキがあるんやて」

「うちな、ココナツパンケーキも気になっとるんやけど、せっかくやから時間限定のにしたろか」





「それぞれのテーブルにソースがあるんや」

「ソースいうてもお好み焼きのとはちがうんやで」

「カラフルでかわええね」

「中身はメープルシロップにココナッツソース、クランベリーソース」

「で、うちが練乳」

「うちはブルーハワイソース」

「なんてな!」




「飲み物はコーヒーやお茶もあるけどお酒もあるんやで」

「やった~、フローズンタイプのピニャコラーダや~」

「これ大好きやけどうちでは作れへんもんな」



「エッグベネディクトや~」

「イングリッシュマフィンの上にほうれん草が乗って、その上にスモークサーモンが乗って、その上にポーチドエッグが乗って、さらにその上にソースがかかっとるんやけど、このソースがうまいんや」

「なんて名前やったっけな、えーとオランウータンソースやったかな」

「ちゃうやろ」

「『お』はあっとるんやけどな」

「『お』のつくソースと言えばおたふくソースに決まっとるやろ」

「お好み焼きとちゃうねんで」


・・・・オランデーズソースです


「うまいなー」

「ポテトがまたうまいねん」




「ガーリックシュリンプや」

「アスパラも添えてあるで」

「わ~、めちゃうまや!」

「お姉さんのおすすめやもんね」

「これ、めっちゃビールにあう味やね」





「きたで~パンケーキ!」

「ものすごいクリームやね」

「うちらよりも背高いで~」

「パイナップルとブルーベリーにバナナにイチゴ」


「クリームふわふわで意外にあっさりしとるね」

「こらうまいわ、行列できるのも納得や」


「単孔目にもやさしいお店でよかったなー」

「せやね」


「お腹いっぱいやね」

「せっかくやから横浜あたりまで歩いて帰ったろ」






「日時計あるで」

「おてんとさんあたっとらんけどな」



「横浜は散歩するには最高やね」

「風が気持ちええね」




「なんや、お行儀ええね」

「カモメさん、こんにちは」

「うちらイコズです」

「鳥に似てるけど哺乳類なんやで」

「そやけど卵産むんや、カモメさんと一緒やで」




「一人黒いカモメさんがおるね」

「あの人はカモメさんとちゃうで、ウさんや」

「さよか」

「ウさん、こんにちは」

「うちらカモノハシのイコズです」




「きれいやね」

「JR東日本エリアに引っ越してきてよかったな」




「あの雲、さっきのパンケーキのクリームみたいやね」

「次はココナッツパンケーキ食べよな」

「せやね」


「そういえば、カップヌードルミュージアム行かんとな」

「雨どい見に行かんとあかん」

「つれてってな~」


休館日が私の休みとかぶるんだよなー、

行ける時あるといいね

「今日の夜、またバス乗って帰るんやろ」
「多分な、その前にちょっとそこまで、なんやて」




「鳥取はなんや広々しとって気持ちええね」




「お~、ここは」
「元祖鳥取の砂場、やね」




「やっぱり、鳥を取るアリジゴクさんおるみたいや」
「間違われへんように気をつけんとあかんね」
「うちら哺乳類やで~、って言いながら歩いたろか」
「そうしたほうがええかもしらん」



「鳥取砂丘はみんなの財産です、やて~」
「うちらの財産でもある、いうことか?」
「おそらくな~、鳥取砂丘は天然記念物なんやで」
「さよか、うちらもレッドリストに載っとる貴重な生き物やさかいな、がんばって元気にしとらんとあかん」




「砂丘はほんま広々しとるね~」
「お天気が良くてうれしいなー」

「けっこう草がはえとるんやね」





「わ~い」
「って砂地は歩くの難しいな」


「あ、これや、これこれ!」

「なんやの?」





「この草はな、『ケカモノハシ』いうんやで!」

「したら、うちらの親戚かい」

「ま、そないなもんや」

「うちらの仲間はハリモグラはんだけかと思うとったんやけど意外なとこに親戚がおるもんやね」

「砂丘に自生しとるかわええ草やね」

「会えてよかったな」

「元気でな、うちらもがんばるさかいな」


※注 多分この植物はケカモノハシではないっぽいですが、二人とも喜んでるのでそういうことにしておいてやってください。
機会があったら本物のケカモノハシをご紹介します。






「あちゃ~、雨降ってきたで」

「砂漠なのに雨降りよるんやね」

「鳥取砂丘は砂漠とはちゃうねんで」

「さよか」




「すぐにやんでよかったな」

「しかも、虹出たで」
「きれいやな~」





「そろそろ車で鳥取駅へ向かうんやて」

「鳥取とすなばとお別れやね」


「その前にお腹ふさげや」




「おおっ!旅のしまいを締めくくるにぴったりのメガ盛りラーメンやね」


イコズ、願いがかなってよかったね

お帰りなさい

「カミノハシさんは鳥見るのが趣味なんやね」
「バードウォッチングいうやつやね、日本語だと鳥見いうんやね」
「鳥取は鳥を取るから鳥取いうんやろか」
「そしたら、鳥取砂丘は鳥専門のアリジゴクの巣がありよるんやろか」
「そら、怖いなー」
「うちら、よく鳥と間違えられてまうからな、取られてしまわんよう気をつけないとあかんね」
「せやね!緊張してたほうがええで」

「あ、あれなんやろ」





「ハンモックや」
「森のなかのハンモック、最高やね」




「おーええねえ」
「イコはん、鳥さんと間違えられへんように緊張しとらんとあかんで」
「せやね、昼寝しとる場合とちゃうで」





「ぐー」
「ぐー」




「ちなみにここは八頭町ふるさとの森、いうとこやねん」

八東ふる里の森


「せやけど難しいな」
「なにがや」
「ここは八東ふる里の森やろ」
「せやね」
「八東ふる里の森があるとこは八頭町やねん」
「ほう」
「八東なのか八頭なのか、どっちもはっとう読めるから難しいんや」
「どっちでもええんとちゃう?」
「ちなみにヤツガシラいう、鳥さんがおってな、『ヤツガシラ』って打ち込むと八頭って変換されるねん」
「どうでもええんとちゃう」
「難しいやろ?」
「東京ディズニーランドは東京にない、とかそないな話になってまうからやめとけって」


「今夜はバンガローにお泊りやねんて」
「うちバンガローで寝るの初めてや」
「楽しみやね」




「ぐー」
「ぐー」

「なんか、ふる里の森では寝てばっかりやったね」
「質のええ睡眠はなかなか貴重やで」
「夜ご飯の刺し身定食もうまかったし」
「朝ごはんはご飯とそうめんもうまかったな」


「これからどこ行くんやろ」
「ええとこやて」
「さよか、なんかその言い方怖いなー」
「その前に徳丸駅で記念撮影や」




「おー、広々しとって気持ちええねえ」
「田んぼがきれいやねー」
「電車とちゃうねんね」
「ディーゼルやろか」
「知らん」

「この徳丸駅は無人駅なんやね」
「イコカカードは使えるんやろか」
「ええねえ、なんだかホントに気持ちがのびのびしよるね」
「若桜線、いうんやて」
「さよか」
「わかざくら、とちゃうんやで、わかさ線、なんやで」
「わー難しいな」

さて、イコズ、今夜の深夜バスにJR東日本エリアに戻る予定ですが、もう少し旅は続くようです