Is China Pulling Strings in North Korea?There's a reason Beijing hasn't ended Pyongyang's provocations.
北朝鮮の後ろで糸を引いているのは中国か? 北京が平壌の挑発を止めさせない理由

By Anne Applebaum 2009年6月1日7:59PM

 事実を受け入れよう。先週、北朝鮮が核実験を実行すると決定した理由も、1953年に発効した朝鮮戦争の休戦を突然無効であると宣言した理由も、複数の実験型ミサイルを試射し、今また新たなミサイルの発射準備を行っている理由も、私達は本当のところは何も知らない。ワシントンとの交渉に不満があり、より多くの譲歩を望んでいるのか──それとも、より注意を引き付けたいだけなのか。北の体制が権力基盤を──定期的な食糧や信頼性のある電力の調達すら、もはや不能となっているが──強化しようという意図があるのだろうか。

 全く別の可能性もありうる。北朝鮮が戦争を匂わせる言説を弄するのも、臨戦態勢を進めるのも、中国の意志であるというシナリオを私は支持している。もっとも、これもまた他のシナリオ同様、推論に過ぎないが。これを実証する事は私には出来ないが──実際のところ、誰であろうと北朝鮮についての仮説を証明する事は出来ないが──、以下に示す事象を証拠として見做す事は可能であろう。

 中国は現実的な影響を北朝鮮に及ぼす事の出来る唯一つの国である。それだけではなく、北朝鮮との外交面及び安全保障面における密接な関係を維持している唯一の国が中国である。中国は必要であれば北朝鮮の体制を明日にでも打倒する事も、北朝鮮への石油供給を断つ事も、貿易路である国境を封鎖する事も可能であろう。また、中国は国境を開放するというような、先とは逆の戦術を取る事も出来る。これを行った場合、20年前の夏の東ドイツがそうだったように、難民が逃げ出す事によって体制を崩壊へと導く事が出来るだろう。言い換えるならば、中国は他の全ての国連安保理事国全てを合わせた物より、強い影響力を北朝鮮の体制に及ぼす事が可能ではあるが、彼らは核計画の停止にその強力な影響力を使おうとはしていない。それどころか彼らは貿易関係を維持し、石油供給を続け、国境のフェンスを整備し、北朝鮮の核開発計画(先日の核実験の際、中国は実施一時間前にその計画を知ったと主張しているが、誰もそれを信じてはいない)に対する国際的な阻止努力に、口先だけの支持を示した。その一方、彼らはこれから何が起こるかを、うずくまりつつ観察している。

 合衆国に取って代わり、東アジアの覇権国の地位に就こうとする野心を中国は持っている。その証拠に、詳しく調べるまでもなく中国は海軍の拡張にその資金を費やしている。現在、少なくとも70隻の潜水艦を保有しており、そのうちの10隻が原潜と見られている。それに対し、合衆国は70~80隻の潜水艦を常時配備しているが、これらは世界中の海を警戒するために配備しているのであって、アジア近海に集中配備されているわけではない。中国は航空母艦の設計にも着手しており、伝えられるところによると──我々の航空母艦をより効率的に破壊するための──対艦長距離ミサイルも保有していると見られている。

 他のアジア諸国が、オバマ政権に対するこの試練を見守っている事を中国は承知している。ありそうな事ではあるが、オバマ政権が北朝鮮の核開発計画を阻止する方法を見出せなかったとしたら、韓国人はどのような結論に達するであろうか──日本人は言うまでもないだろうか?台湾人はどうだろう? 彼らのうち幾人が、アメリカの安全保障の傘は最早それほど強くも広くも無いと判断するだろうか? 中国の保護下にいる方が、彼らにとってより幸福であると判断したりしないだろうか? もちろん、中国が本気でこう思っているのであれば、非常に荒唐無稽で危険な賭けをしてると言わざるを得ない。結局の所、日本人が中国の支配を熱狂的に受け入れるわけもなく、台湾人も本土との再統一に興味を持っているわけでもないであろう。中国と共同歩調をとるのではなく、日本人は自国独自の核抑止力が必要であると結論するかもしれない。韓国人も日本人に追随するかもしれず、台湾人は自国海軍の艦隊をさらに強化する事を選択するかもしれない。かくして、アジアの軍拡競争は致命的に加速する事となる。

 それほどの危険があるにも拘らず、中国には金正日をミサイル実験に駆り立てる正当な理由がある。北朝鮮に軍刀を鳴らす許可を与える事によって、中国は自らの手を動かすことなく、軍事的脅威に対するオバマの反応を観察する事が出来るであろう。北朝鮮を動かす事によって、中国は自国の原子力産業を制裁や国際的非難の的にする危険を冒すことなく、アメリカの新政権が核兵器拡散をどの程度真剣にコントロールするかを確かめる事もできる。彼らは米中間の経済関係を毀損することなく、新政権の注意を逸らし混乱させる事が可能であり、それこそが自身の体制にとって一番重要なことであろう。

 そして分が悪いと判断するのであれば、彼らは即座に賭けから降りる事が可能だ。北朝鮮は傀儡国家であり、中国は後ろで糸を引く人形遣いである。彼らは明日にでもこの茶番劇を終わらせる事ができる。未だにそうしていないのは、彼らなりの理由があるからなのである。


 うーん、面白くはあるんですけど、中国が一枚板であると思い込みすぎてる気もします。北京閥と上海閥の暗闘もありますし(週刊 韓国経済危機:特別コラム『北朝鮮問題の視点』)、人民解放軍の掌握は完全なのかって疑問も。根拠としては弱いかもしれませんが、こんな記事もあります。人民解放軍は本来徴兵で兵員を賄っていたのですが、最近では志願兵だけで充足できる程人気の高い職になっている事は、読者の皆様もご存知でしょう。にもかかわらず、飴を増量しなければならない事情があるとすれば(外征の準備という可能性がないとするならば)、統制力低下に悩んでる可能性もあるんじゃないかなと私は思うのです。
 突っ込みどころはいくつかありますが、それでも訳して掲載しようと思ったのは、『北朝鮮の現状を維持したがっているのは中国』、この視点がやっぱり重要だと思うからこそなんですよ。
 中国としては北の体制が崩壊して、大量の難民が国境地帯になだれ込んでくるのは御免でしょうし、さりとて北を全面擁護して日米との経済的関係が悪化するのもまた勘弁して欲しいところでしょう。減少する電力消費量(5月最終週の対前年比-5.7%)から見てとれるように、経済成長が停滞してるのは確かなようですしね。朝日新聞あたりは絶対に認めないでしょうけどw

 そんなわけで、六者協議はもちろん、外交努力で中国を動かせなんていうのも、痴者の夢想と断じてもよろしいかと思います。北朝鮮をそのまんま維持しておいたほうが、中国にとっては得られる物が多いのですから。
 そうした中国の意図を挫こうとするなら…それこそ、合衆国との間に日本の核武装についての交渉を開始するのが一番じゃないかと思いますけどね。もちろん、合衆国がすんなり了承する筈はないでしょう(したらまず私がビビる)。それでも、日本が核抑止力の獲得に意欲的であるというのは、中国にとって強力なメッセージになると思うんですが、どうでしょう?
 もっとも、日本がそこまで踏み切れるんであれば、現状を招いていない気もします。その意味では私の提案も愚かな夢想であることは確か。風向きは変わりつつありますが、まだまだ道は遠いですね…

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