《滝中学校》令和6年度入試のミカタ | 教育・受験のミカタ

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令和6年度入試のミカタ

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ロケット今回は滝中学校編

 

ダルマまずは入試結果から

トラ志願者数
県内共学校の最難関校として、前年より48名減でしたが過去数年の中では前年に次ぐ志願者数となり凄まじい人気を誇っています。下グラフは共学校との比較と難関校いわゆるNTTの3校比較。いずれも滝への大きな期待を表す結果となっています。

 

 

龍入試問題の傾向

西塾資料より抜粋

国語

チューリップ赤難易度

説明文も物語文も平年並みの難易度。7割程度は正答したい。


チューリップ黄傾向

説明文と物語文が出題される。今年度も漢字については書きとりのみの10問であった。記述式の解答は2問で、指定文字数は物語文の方が多かった。抜き出しで解答する問題が、説明文と物語文に各1問ずつ。残りは記号で選択する問題であった。文中の語彙や知識に関する問題、接続語を選ぶ問題や文法の問題が今年度は出題された。


チューリップ紫対策

説明文は順を追って本文を読み進め、傍線部や空欄ごとに問題文に目を通し、解答していけばよい。丁寧に読み、一度で本文・設問とも内容を把握し解答していきたい。

物語文は、場面ごと、中略ごとに区切り、その中で出てきた傍線部や空欄に関する問題に解答していけばよい。登場人物の状況を把握し、気持ちの変化を捉えることで解答できる。記述式の問題は、設問をよく読み、問われていることをきちんと把握した上で、本文の中から根拠を探して解答する必要がある。その上で考える力が必要である。

漢字は必ず10問おそらく20点分の配点であり、学習の範囲内での出題のため、日々の学習をしっかりこなしていくことで確実に得点したい。語彙・知識に関しては日ごろから辞書を引き、言葉の本来の意味を捉えた上で、本文内容に合うものを解答するようにしたい。

 

算数

チューリップ赤難易度
受験者平均は66.3→60.4→53.2と2年連続難化。例年水準ならば6.5割は取りたい。

チューリップ黄傾向
問題全体として難化。問題文は全体的に短くなっていたものの、大問2から難易度の高い速さの問題が配置され、大問3、4は基礎的な問題、大問5、6は条件整理と書き出しを要する問題がされるなど、時間の工夫と判断を要する問題。規則性、場合の数、平面図形、立体図形、速さの問題が出された。

チューリップ紫対策

まずは予習シリーズ6㊦で基礎標準的な問題を確実に解けるようにしたい。文章が長い問題も多く、出題傾向の多いデータ処理の問題、速さ、周期の問題など、問題文を読み解き丁寧に整理することが必要な問題は過去問と解き直しで力をつけていく必要がある。

また、今回のように難易度順に問題が配置されていない場合もあるため、普段のテストや模試の中で、問題の取捨選択の目を養う必要がある。

また1つの計算ミスや読み飛ばしが合否に響いてくることから、日々の計算、問題文を丁寧に読む、思考過程を整理して書くことを併せて日頃から練習しておく必要がある。

 

社会
チューリップ赤難易度
昨年よりやや難化。確実に合格するためには7割を目指したい。

チューリップ黄傾向
地理・歴史・政治分野それぞれ出題され、教科書内容や身近な事柄に焦点をあてた問題が頻出。問題数は昨年と同じ46問。1つ1つの問題を素早く的確に処理する必要がある。選択問題が多いが、資料を読み解く問題や読解力を要する問題も近年見受けられる。

チューリップ紫対策
基本的な知識は必須なので、地理、歴史、政治各分野の確認テストを確実に覚えていることが大前提。語句は漢字指定。選択問題が多く、詳しい知識がなくとも消去法で正答にたどり着く問題が多いが、逆に言えば、様々な社会問題をはじめとするニュースに日頃から親しみ、自分なりに考える習慣がなければ太刀打ちできない。

過去問演習では、正解以外の選択肢について、どこが誤りか書き込み復習・理解するような対策が効果的。入試前にはニュース最前線などで時事問題・社会問題を確認することも必須。また、地理に関する統計・データの読み取りや学校の教科書からも出題されるので、予習シリーズ以外にも補って学習すべき。日本と関わりの強い世界についての問題もよく出題されるので、地図帳などをよく見て覚えておきたい。

 

理科
チューリップ赤難易度
受験者平均は34.6→27.6→34.2と変化。合格には7割前後を取りたい。

 

チューリップ黄傾向
大問が4問あり、全分野から出題された。昨年に比べて知識を直接問う問題が多く、その結果が受験者平均点に反映したものと考えられる。実験の結果や与えられた情報をもとに考えさせる問題、図表から読み取る問題が大半であるものの、設問自体は易しく、計算問題も特に問題なく解けるレベルで設定されていた。

 

チューリップ紫対策
本年は易しい問題が多かったものの、隔年で平均点が上下していることを踏まえると、問題文の読解、図表の読み取りをしっかりできるようにする必要があり、計算問題の対策を重点的にする必要がある。滝中学の過去問のみならず、他の学校の過去問も併用し計算問題、図表を読み取る問題の対策をするとともに、予習 シリーズ6㊦もしっかり練習しておきたい。

 

滝中高の大学進学実績はコチラ

 

入試問題は中学校からのメッセージ

各中学校の入試問題は、その学校の教科責任者レベルの先生方を中心に作問されるので、短い期間での入れ替わりが少ない私立学校の場合、問題の傾向や特徴は変わらず維持されることが多いものです。

ですから、合格するために過去問を解き対策を徹底するのは有効な対策なのですが、実はもう一つ意識しておきたいことがあります。

それは、各学校で教科指導全般に影響力をもつ先生が入試問題を作問されますから、入試問題に表れる特徴や傾向は、中学入学後の授業方針や定期テスト方針にも反映されるということです。

過去に滝がダメで東海には受かった子がいました。彼は「東海の入試問題が自分に合っていた」と言いました。実際に過去問演習でも東海は割と順調で、一方、滝は点数を落としがちでした。

東海も滝も大きな失敗をしない限り突破できるような高い学力をもつ子は別ですが、ボーダー上で戦っている子には、受かった方に入学することは入学後の授業・テストを考えても「合っている」といえる場合もあります。

これは東海と滝に限らず、名古屋と南山男子、愛知と名電など、どこの層でも言えることです。「ご縁を頂いた学校に進学してそこで頑張れば道は拓ける」という私の信念にも通じると思っています。

マークシートで選択問題ばかりの学校、記号問題ばかりの学校、記述問題を多く出題する学校、作文を書かせる学校、図や資料を多く使う学校、社会問題や環境問題を深掘りする学校、考えさせる問題を出す学校など、入試問題は各学校で授業をしている先生方からのメッセージです。

偏差値や大学進学実績、校風などを最優先に研究しながら、入試問題についても比較して進学後の授業を想像してみることもお勧めします。

 

龍国語の出典作品を見ても、先生方が子どもたちに伝えたい想いが分かります。

 

次回は南山中学校女子部編をお届けします。