出会いのライヴ、最高のライヴ | ミトココロノココロミ

出会いのライヴ、最高のライヴ

12月21日、うちの劇団の座長が日ごろ仲良くしている、
ソプラノ歌手の深川和美さんや
多彩な音楽キャリアを持つまや・バルーさんが出演するライヴに
うちの座長も出演することになったので、
お手伝いをするべく、HEP HALLに行ってきた。

自分が手伝うところ以外はひたすら舞台袖で見ていたのだが、
いやはや、ほんっとに!素晴らしいライヴでした。最高です!
深川さんの歌声はいつ聴いても
こちらの体をすーっと通り抜け
浄化してくれるような気持ちよさがあるし、
まやさんのシャンソン(歌)も本当に色っぽかったし、
私が尊敬する谷川俊太郎さんのご子息で、
ミュージシャンの谷川賢作さん
(実は私は賢作さんのファンでもあって、
賢作さんがかつて組んでいた'DiVa'というバンドのCDも持っており、
サインをもらったことがあります)
の軽妙なピアノも惚れ惚れしたし、
ミュゼット・ジャズ・バンドの皆さんの演奏も、
相変わらず多彩で、個性的で、とても美しかった。
また今回、初めて見た続木力さんのハーモニカは、
とてもノスタルジックで暖かい世界を作り出したかと思いきや、
ブルースっぽい、派手なインプロヴィゼーションも展開!
いやぁ、惚れました!一気にファンになりました。
見かけは普通のおじさん、という感じなのですよ(失礼)。
でも・・ほんと、いいっ!かっこいいですっ、続木さんっ!!
あと、前重英美さんのジャズ・ヴォーカルも
むちゃくちゃかっこよかった!

そんな中、個人的にいくつかの驚きが。
なんでも続木さんは、うちの座長や私が通っていた大学の傍にある
老舗のカフェ「進々堂」のオーナーの息子さんであるらしい。
(私はああいうのこそが本当のカフェだと思う。
現在、お店は続木さんのお兄さんにあたる方が
ついでおられるらしい)
世の中、狭い。
座長や私も、それぞれの学生時代、
もしかしたら続木さんと会っていたのかも知れない。

そして、ライヴのアンコールの時、
深川さんとまやさんが客席を見て、
「そこにいらっしゃるのは、私たちのアルバムに参加してくださった
鶴来さんじゃないですか?」
そうやってステージ上に引っ張り出されたのは、
ミュージシャンの鶴来正基さん。
遊佐未森さんのファンだった私は、
あなたの名前を何度となく色々なところで見てましたよ!
そうして、鶴来さんは、
知らない曲を初見の楽譜だけを頼りに、
見事にインプロヴィゼーションまで展開したのでした。
かっこ良過ぎるっ!

更に楽屋で。
ミュゼット・ジャズ・バンドの津田兼六さんが
うちの座長にある人を紹介している。
その方が楽屋を去った後、津田さんが
「あの人は昔、『ウォークマンのしゅう×△☆』という本で・・」
私の耳がピクッ!と反応する。
私「え?『ウォークマンの』何ですか?」
津田さん「『ウォークマンの修辞学』って本を出した人でね、」
私「え?あの人、細川周平さんですかっ!?」
津田さん「あ、知ってるの?あの人、細川周平さんなんです。」
たまげた。
あなたの本、2冊も持ってますし、
どちらもとても好きな本ですってば!
一冊は「トランス・イタリア・エクスプレス」(筑摩書房)
そしてもう一冊は、
私の好きな坂本龍一氏との共著「未来派2009」(本本堂)。
いずれも廃刊になっているはず。
前者は古本屋で偶然発見し、小躍りし、
後者はYahoo!オークションで落札したほどのもの。
元々はかつてあったWAVEという雑誌の
「ノヴェチェント」特集
(要は大戦前の芸術運動「未来派」の特集)
で名前を知った人だ。
まさか、そんな方を直接見ることになろうとは・・。

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ライヴの魅力は、その時、その場所で、
人と、その一瞬と出会えることに尽きると思う。
その意味で、本当に最高のライヴだった。