私は少し前の「「階級闘争の現実およびわれわれ自身を変革する」という表現は変だ、ということに気づいた」という文章において次のように書いた。

 

 「ここは、「われわれは、われわれが創造し推進している階級闘争の現実を変革するためにイデオロギー的=組織的にたたかい、こうすることをつうじて同時に、このわれわれ自身を変革するのである」、というように論じなければならない、と私は思う。「われわれ自身を変革する」とは、わが党組織を変革するということであり、わが党組織を強化・確立するということである。このことについては、われわれは、わが党組織をわが党組織として確立することとして独自的に明らかにしなければならないからである。」

 

 私は、わが同志から、この部分についての次のような感想を聞いた。

 「このなかの冒頭のカギかっこを付されている文で言われている「われわれ自身を変革する」の「われわれ自身」とは、自分ということではなく、わが党組織なのだ、と自覚した」、と。

 これを聞いて、私は、階級闘争論的解明・運動=組織論的解明・党組織建設論的解明の三者にかんして、何をどのように解明するのか、という・解明すべき課題とアプローチのしかたの違いを論じなければならない、と感じた。

 

 われわれは、われわれが活動している場において、われわれがつくりかえてきている階級的諸関係および階級闘争の現実を変革する、という実践的立場にたって、われわれの実践の指針・すなわち・われわれの闘争=組織戦術を解明し、われわれはわれわれが解明したこの闘争=組織戦術にのっとって諸活動をくりひろげなければならない。

 われわれは、われわれがつくりかえてきている階級的諸関係および階級闘争の現実を変革する、という実践的立場を、階級闘争論的立場と規定したのであり、われわれの実践の指針・すなわち・われわれの闘争=組織戦術のこの解明を、階級闘争論的解明とよんだのである。これが、われわれが解明すべき三者のうちの一番目の階級闘争論的解明である。

 ここに言う、われわれが活動している場とは、われわれが所属している労働組合とその運動の場であり、また労働組合が存在していない自分の職場での闘いの場であり、そして産業別の労働運動の戦線の場であり、さらに日本階級闘争総体の場である。

 そして「われわれがつくりかえてきている階級的諸関係および階級闘争の現実を変革する、という実践的立場にたって」というように表記したのは、われわれがわれわれの闘いによって現につくりかえてきている階級的諸関係および階級闘争の現実にわれわれは対決し・これを変革することをおのれの意志とするからであり、ここで「階級的諸関係および」としたのは、個別の職場での闘いや個別の労働組合での闘いであったとしても、つねに会社経営陣・管理者たちと労働者たち・労働組合との力関係を変革することを、われわれはわれわれの課題とするからである。

 さらに、われわれの実践の指針・すなわち・われわれの闘争=組織戦術の解明には、われわれが組合員あるいは組合役員としてうちだす組合の運動=組織方針の解明や、組合のない職場においてわれわれが一労働者としてみんなに呼びかける闘いの指針の解明をふくむのである。いいかえるならば、われわれは、われわれが組合員あるいは組合役員としてうちだす方針やわれわれが一労働者としてみんなに呼びかける方針を解明すると同時に、われわれが職場の諸課題およびこの方針をめぐって組合員たち・労働者たちと論議するイデオロギー闘争の内容や、この方針を組合員たち・労働者たちに物質化するためにわれわれがくりひろげる諸活動を解明しなければならないのであり、このようにしてわれわれが解明するところのものがわれわれの闘争=組織戦術なのであって、われわれはこの闘争=組織戦術にのっとって実践するのである。すなわち、イデオロギー的=組織的にたたかうのである。

 われわれが明らかにすべきその第二は、われわれが解明したわれわれの闘争=組織戦術をわれわれが実存する場に物質化する諸活動を、運動=組織論を適用して解明することである。これは、われわれがわれわれの闘争=組織戦術にのっとって展開する諸活動の運動=組織論的解明であり、われわれがわれわれの闘争=組織戦術を物質化する実体的構造の解明である。すなわち、われわれが職場闘争あるいは運動を組織しわれわれの組織を組織していく実体的構造の解明である。

 この諸活動の解明=この実体的構造の解明は、われわれの闘争=組織戦術の解明にふくまれるのであり、第一の階級闘争論的解明と第二の運動=組織論的解明との違いは、アプローチのしかたの違いにもとづくのである。前者を、闘争(=組織)戦術の解明、後者を、(闘争=)組織戦術の解明というようによぶことができる。前者は、われわれがつくりかえてきている階級的諸関係および階級闘争の現実をわれわれが実践的に変革していく主体的構造を、表側から解明する、というようにアプローチするのにたいして、後者は、その主体的構造を、裏側から解明する、というようにアプローチするのだ、ということができる。

 われわれが明らかにすべきその第三は、われわれが階級闘争を組織し展開するその前提をなし・この階級闘争の展開を媒介としてわれわれが強化し確立していくところのわが前衛党組織、この前衛党組織を前衛党組織としてどのように確立していくのか、ということを、前衛党組織建設論を適用して解明することである。われわれが階級闘争を組織し展開する、と同時にこれを媒介として、われわれ自身・すなわち・わが前衛党組織そのものを強化し確立していく主体的で組織的な闘いを、われわれは解明しなければならないのである。わが党組織を、その形態の確立を基礎としてその実体を確立する、と同時に、その実体の確立を媒介としてその形態を確立していく、という主体的構造を、そして、この組織そのものとこの組織の諸成員の思想性および組織性をたかめていくこと、そのためにわれわれは内部思想闘争をどのようにおしすすめていくべきなのか、ということを、われわれは、党組織建設論を適用して明らかにしていかなければならないのである。

 これらの三者にかんしては、われわれはこれを具体的に解明しなければならないのであり、黒田寛一『日本の反スターリン主義運動 2』の251頁の「マルクス主義革命理論の構造」の図解との関係において言うならば、この図解で明らかにされているすべて(「A 世界革命論(革命現実論)」「B 革命実践論(革命本質論)」「C 組織現実論」をふくむこの全体)をマルクス主義革命理論の本質論とし、この本質論の現実論として、私が上にのべてきた三者を、われわれは明らかにしなければならない。この意味においては、この三者の全体を「階級闘争論的解明」とよぶこともできる。

 この階級闘争論的解明にかんしては、階級闘争の物質的諸条件・すなわち・階級情勢との関係においては、次の三つを独自的に解明することが必要である。

 ①現代ソ連邦が崩壊し、プロレタリア階級闘争が壊滅させられた現在の階級情勢のもとで、われわれは、痛苦にもわれわれ自身がつくりだして許してきたこの壊滅の状況を突破し、どのようにプロレタリア階級闘争を創造し推進していくのか、という・われわれの指針と諸活動の解明。

 ②政治的・経済的危機がうみだされたという階級情勢のもとで、国家権力および支配階級の諸攻撃をうちくだくために、われわれは、われわれが掌握している諸労働組合および諸職場の労働者たちのイニシアチブのもとに・もろもろの労働組合や諸階級・諸階層を結集して統一戦線を結成してたたかう、と同時に、職場労働者評議会の創造を基礎にして産業別ソビエト(産業別労働者評議会)および地区ソビエト(地区労働者評議会)を結成し、これを統一していく闘いの、われわれプロレタリア前衛党の指針と諸活動の解明。

 ③前革命情勢ないし革命情勢のもとで、結成されたソビエト(労働者評議会)をわれわれが強化し、このソビエトを主体として、現存する国家権力を打倒しプロレタリアート独裁権力を樹立するための闘いの、われわれプロレタリア前衛党の指針と諸活動の解明。

 われわれは、この①②③を、マルクス主義革命理論のすべてを適用して解明するのでなければならない。

 

 

 

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