赤ウインナーってすごく美味しくありませんか?って話です。好きですか?2行目にしてタイトルでありメインであり結論なんですけども。ボクの生活の中には赤ウインナーがかなり根付いているんですね。その実力から冷蔵庫のレギュラーメンバーを勝ち取っていて、スーパーに行っても赤ウインナーを切らしてないかを考える優先順位が高いし、更には焼き鳥屋でも赤ウインナーがあったら頼んでしまうわけですね。焼き鳥を食べに行ってるのに赤ウインナーを声高らかに宣言して注文してしまいます。そもそもメニューにある時点でお店側も食べて欲しいわけだからなんの恥じらいもなく注文しますし、逆に上手い事考えるなあと思ってしまいます。というかボクからしたら感謝に近い。炭で焼いた赤ウインナーはやたら旨いし、赤ウインナーを注文した時の焼き手の人のニヤッとした顔は赤ウインナー信者として通ずるものを感じ心が高ぶる。「あ、この人は赤ウインナーの最高の焼き方を知ってんな」と思って安心する。感謝申し上げる。赤ウインナーってなんでこんなに旨いんだろう。

 まず赤ウインナーのプロフィールを見ても、200円くらいで一袋何本か入りが手に入るから、キャビアみたく贅沢品っていう意識からくる旨味は特にはなさそうで。なんなら安い側の顔してるし、鮮やかな赤色は肉の色でなく着色料であるし、体に良いかどうか聞かれたらそれは分からないけれども、とにかく安価で手に入りやすい食べ物であるのにこの旨さって所を今読んでる方々に再評価して頂きたい。いや、再評価と言ってる時点で、かつてはみな一度は食べて評価していたんじゃないかというニュアンスがくっついているけれど、それが次の話。

 じゃあ何がそんなに美味しいのかって事で突き詰めると、味自体にその実力はない気がしている。だって200円そこそこが売値なのに上質な肉は使えないはずで、そもそもウインナーの始まりはありあわせの肉や端材を集めたわけだし、肉質による旨味ではない事は明白。ならば逆に淡白さがウリなのかと考えてみても、確かに濃厚ではないけれどそこまであっさりを主張した風味でもないし、ウインナーってあっさり感が旨いよねって話も聞いたことがない。食感と言えばパリッとでなくむにゅっとであるし、つまり普通の、特に技術的にも味を飛躍的に昇華していなくて、ただ皮に突っ込んであるだけであって、飛び抜けた特徴はないように思う。ただあるのは懐かしさ。お子様プレート。

 ここで前半の、一度は皆食べたことがある点について戻ってみる。子供の頃は確実にみんな赤ウインナーを食べていて、親が昭和生まれってのもあって、その記憶がそうさせてるんじゃないかという点を睨んでいる。つまりはノスタルジー、懐かしさが味に関与してる風に思う。子供の頃美味しいと思って食べ慣れたものは美味しいと感じる脳があると思うんだけどいかがなものかなあ。そう捉えると子供の頃食べたものは何だって美味しいって事になるけど、うなぎパイも美味しいしベビースターも未だに原料が分かってないものの美味しいからあながち間違ってはいないのかもしれない。ただ気になるのはピーマンが食べれるようになって大人になったなあと思う点で、味覚は大人になるにつれ変化していって、いわゆる「大人の味」というジャンルの楽しみ方もあるので懐かしさと大人の味は似て非なる近しい味覚なのかなあと思うこの頃。結局大人になった味覚で懐かしさも感じられる赤ウインナーがボクは好きなんだと書いてて思いましたとさ。他にもあるかなあ。赤ウインナー美味しくないですか?