宇宙も好きだけどゴミの話も好きって話。ゴミってゴミだけどゴミじゃないっていう論文もたまに読むし、経済誌とかではよくあるテーマのひとつ。普通の日常を生きているとどうしても世界が狭くなりがちで、朝早く起きれた遅刻しそうだあの人好きだ嫌いだ腹減った何食おうって、結局アンテナは生活圏に範囲を狭める。そんな時にお得意の宇宙論に没頭して自分の小さき存在の感に打ちひしがれる欲は、ボクが変態なだけなのか何なのか、一番のリフレッシュ体操になる。今日は目が開きづらいなあなんて、世界規模で見れば果てしなくどうでもいい。世界のゴミを想うとそれだけで少しばかり虚しい。

 チラッと見かけたニュースでは、カラスが自分の巣を人間が使うハンガーで作り、しかもあいにくな事に電信柱の上ときたもんだ。感電する恐れアリなわけで、撤去作業は慎重に行われましたって。危ないは危ないけど、ハンガーで作られてた事実にはなんだか頭が下がる。別にボクは捨ててないよ。むしろ捨てられたものかカラスが勝手に拝借してきたものか定かじゃないが、普通は土とかで作るもんをハンガーだなんて現代的と言えばそれまでだが、そもそも論だけどよくハンガーで作ろうと思ったよなぁだし、30個近くもどこから頂いてきたんだろうなぁ。きっとニンゲンの使ってる姿を見ていたに違いないし、どこかで狙っていたはずである。

 知人が言うにはこんな話もある。小さい頃、カラスが近くにいて、『カラスってすぐゴミをあさるの、いやぁ~ね~。』的な話をしていたら、パコーンと頭を叩かれて、え何!?誰!?と思ったら羽ばたいていくカラスがいたという。当たったというより平手打ちに近い衝撃だったそうで、やはりあやつらは悪口を理解している。更には公園でアイスを食べてたら持っていかれもしたという。

 カラスはボク達ニンゲンの事をよく見ているし彼等ないし彼女等は生きるためにあらゆる物を利用するし、それを出来る脳を持ってる。言葉もあるはず。でも結局のところ、多分だけども、落ちてるハンガーを拾って使ってるんだと思うし、ニンゲンの高度文化の落とし物を賢く使ってるんだなあと思う。ありがとうと思うか、怖いと思うか。何しろ地球に人間よりも知性のある生き物がいないもんだから、ボクにはちと決められない。カラスの知性が進化していったらどうかどうなるか。平和だなあと思うのは、人間が知性のてっぺんにあるからかなあ。そんな事を考えてる日常はちゃんとアンテナが広げてあると思う。