7年経った今でも3ヶ月に一度定期検診を受けている。

先日もその日だった。不思議なもので、どれだけ辛い治療であってもその記憶は薄れていく。まさに時が解決してくれるというものだ。

いつも通り、主治医と話して触診にはいる。何もないことを確認してもらい、不安を不安を取り除いてもらい病室を出る流れのはずだった。しかし健房に何かある様子、触診がいつもより長かった。そう、前から気になっていた部分であり、自分でも薄々感じていた。触ると痛い。動かないしこりのようなもの。それを打ち明けると、すぐにエコー検査をすることになった。マジックで印を付けた後、書類をもらってエコー室へ歩く。複雑な作りの病院内を慣れた足取りで歩くも、その心内はとてもざわついていた。

走馬灯のようにあの頃の記憶が蘇る。身体が震えるほどの辛い治療の日々。目には今にもこぼれ落ちそうな程の涙が溜まっていた。一気に弱気になった。なぜあの頃はあんなに気丈にいれたのだろうか。それと同時に見つかった時はよほど初期ではない限り、治療をまたすることは辞めようと考えた。膨大な治療費、娘が抱く夢への少しでも足しにしたいと思ったからである。私が死んでも保険金だってそんなに入らない。母親がいなくても精神的に耐えられるだろうか。40歳かぁ…思考回路が停止しかけの中で精一杯考えた。

結果、何もなかった。
ホルモンバランスの崩れにより乳腺がでこぼこしている。

安堵で病室で主治医に嬉しさを伝えたが、今回のことで学んだことがある。

きっとこのブログを読んでくださってる方の中には、再発や転移の告知を受けた方もいるだろう。2回目の告知の方が断然辛いということである。なぜなら、治療を経験しているからこそ知り得る辛さ、日常が一気に別世界へ変わるということを知っているからだ。辛い想いをすすんでしたがる人なんてほぼいない。次何かあった時は私は泣き崩れるだろう。

嫌な話はしたくないが、家族と【その時】のことを話し合っておくことは必要だと感じた。【その時】を迎えた後では思考が回らなくなってしまうのだから、正しい判断をすることは難しいのだから。