https://www.jnea.net/wp-content/uploads/20240806kinkyuseimei.pdf

 

 

【緊急声明】

新型コロナウイルス感染症予防接種に導入される

レプリコンワクチンへの懸念 

自分と周りの人々のために

 

一般社団法人 日本看護倫理学会 2024/08/08

 

 

 

要約

 

一般社団法人日本看護倫理学会は、

次世代型 mRNA ワクチンとして、世界で唯一日本のみで認可され、

2024 年 10 月 1日から定期接種を開始するとされている

自己増幅型 mRNAワクチン(レプリコンワクチン)の

安全性および倫理性に関する懸念を表明します。

 

 

 

はじめに

 

新型コロナウイルス感染症に対する予防手段として

遺伝子操作型ワクチンである mRNAワクチンが導入され、

多くの国民が接種しました。

 

いままでのワクチンが、

ウイルスや細菌などの病原体を弱毒化したものや

その成分を抗原として接種し

ヒトの免疫応答を誘導するのに対し、

遺伝子操作型ワクチンは、

当該抗原(スパイクタンパク質)を

ヒトの細胞内の遺伝機構を用いて作らせる点が大きく異なります。

 

そして、昨年 11 月 28 日に、

自己増幅型 mRNA ワクチン(レプリコンワクチン)が

世界に先駆けて日本で認可され(CSL, 2023Sheridan, 2024)、

以来日本は世界で唯一の認可国となっています。

認可されたレプリコンワクチンは米国の Arcturus Therapeutics が開発し

ベトナムでの大規模な治験(第 I~第 III 相臨床試験)(Ho" et al., 2024)を経て、

製造と販売を日本の Meiji Seika ファルマが行なうものです。

 

レプリコンワクチンは、

これまでの mRNA ワクチンの抗原産生機能に加え

自分自身を複製する機能があるため、

少量の接種で長期間スパイクタンパク質を産生します。

このレプリコンワクチンは 

2024 年 10 月 1 日をめどに定期接種を開始する(読売新聞, 2024)

とされていますが、

本学会は以下の通り、

このワクチンの安全性・倫理性に関する懸念を表明します

 

 

 

1. レプリコンワクチンが開発国や先行治験国で認可されていないという問題

 

日本がレプリコンワクチンを認可してから 8 ヶ月が経過していますが、

開発国である米国や

大規模治験を実施したベトナムをはじめとする

世界各国で

未だにレプリコンワクチンが認可されていないのは

なぜでしょうか

この状況は、海外で認可が取り消された薬剤を日本で使い続けた結果、

多くの健康被害をもたらした薬害事件を思い起こさせます。

 

COVID-19 パンデミックのときのような緊急時を除き、

本来、薬剤は安全性が認められるまで世の中に出回ることはありません。

海外で未認可であるということは

何らかの安全上の懸念があるのではないか

と疑わざるを得ません。

 

 

 

2. シェディングの問題

 

レプリコンワクチンが「自己複製する mRNA」であるために、

レプリコンワクチン自体が接種者から非接種者に

感染(シェディング)するのではないか との懸念があります

(Seneff& Nigh, 2021)。

すなわちそれは、望まない人にワクチンの成分が取り込まれてしまう

という倫理的問題をはらんでいます。

これは医療において最も重要で最も基本的な倫理原則である

「危害を与えない」ことへの重大な侵害 といえます。

 

レプリコンワクチンは、

感染性を持たせないように設計されている

(Ricardo-Lax et al., 2021)とのことですが、

そのことは臨床研究によって実証されなければなりません

 

しかし、現在までに

当該レプリコンワクチンにおけるシェディングに関する臨床研究は皆無

(岸田, 2024; 厚生労働省, 2024)です。

レプリコンワクチンが、

望まない人にワクチンの成分が取り込まれてしまうという

倫理的問題をはらんでいることに加え、

10 月からの定期接種が、

シェディングの有無を確認するための実証研究になってはいけないと考えます。

 

 

 

3. 将来の安全性に関する問題

 

遺伝子操作型 mRNA ワクチンは、

人体の細胞内の遺伝機構を利用し

抗原タンパク質を生み出す技術であることから、

人間の遺伝情報や遺伝機構に及ぼす影響、

とくに後世への影響についての懸念が強く存在します

mRNA ベースのワクチンは

ヒトの DNA を変化させないという根強い主張がありますが、

それを裏付ける研究は欠如しており、

出所のはっきりしない仮定である(Domazet-Lošo, 2022)ことが

明らかになっています。

 

最近の研究では、

ファイザー・ビオンテック製の mRNA ワクチンの塩基配列が

ヒトの肝細胞の DNA に逆転写されたと報告されており(Aldén et al., 2022)、

ヒトの遺伝情報に影響しないという言説は根拠を失いつつあります。

このような問題が解決されていない以上、

定期接種によって広範囲かつ継続的に 

mRNA ワクチンを使用することは問題があると考えます。

 

 

 

4. インフォームドコンセントの問題

 

従来の mRNA ワクチンで指摘されていた重篤な副作用については、

臨床試験の段階においても(Cardozo & Veazey, 2021)、

実際に接種が開始されてからも(Slawotsky, 2023)、

被接種者に十分な説明が行われてこなかったことが示されており、

インフォームドコンセントを基盤とする

医療のあり方を揺るがしかねない事態に

私どもは強い懸念をもっています。

 

従来の mRNA ワクチンでも指摘されていた

心筋炎(Hviid et al., 2024)やアナフィラキシー(Barta et al., 2024)等に加え、

上述したシェディングの可能性など、

接種の時点で判明している有害事象のリスクを、

被接種者に十分に説明し、理解をしてもらうことが重要です。

そのうえで被接種者本人が自発的に承諾するという

基本的なインフォームドコンセントのプロセスを経る必要性があると考えます。

 

 

 

5. 接種勧奨と同調圧力の問題

 

従来の mRNA ワクチン接種の事例を鑑みますと、

ひとたびレプリコンワクチンが定期接種化されれば、

医療従事者は率先して接種すべきであるとの

世論や医療機関の方針が打ち出されることは

想像するに難くありません。

患者を守るために

医療従事者が感染経路とならないようにするという大義名分のもと、

医療従事者自身の主体的な自己決定権が

脅かされることがあってはなりません

 

また、レプリコンワクチンは、

自分のみならず、非接種者の家族や周囲の人々にまで

影響を与える可能性がある 中で、

接種しなければならない状況に追い込まれることは

絶対にあってはならないことだと考えます。

 

 

 

結論

 

一般社団法人日本看護倫理学会は、

レプリコンワクチンの導入に関しては

さらなる研究と長期的な安全性データの収集が必要であり、

十分なインフォームドコンセントの確保と、

接種に関する勧奨と同調圧力の排除が求められる と考えます。

われわれは、安全かつ倫理的に適切なワクチンの開発と普及を

強く支持するものではありますが、

そのいずれも担保されていない現段階において

拙速にレプリコンワクチンを導入することには

深刻な懸念を表明します。

 

 

 

2024年8月7日

一般社団法人日本看護倫理学会

理事長 前田樹海

 

 

 

 

 

 

 

 

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/genome/advisory_board/dai4/siryou4-1.pdf

 

「遺伝子治療とゲノム編集治療の研究開発の現状と課題」

 

 

首相官邸の資料 でも、遺伝子製剤の課題として、

増殖能力を持つことや、シェディングで周囲に影響を与えることを、

問題視していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」の条文にある

「感染症」という言葉は、

何か感染症に罹ったという話ではなく、

再生医療で投入した物が感染性を持ってしまった場合について、

書いているようです。