若狭国の水神めぐり⑦ ~烏辺島~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

小浜(おばま)湾の北東
世久見(せくみ)湾にある


烏辺島(うべじま)です。




周囲は1キロながら
標高は95メートルある
ピラミッド型の無人島で、

世久見のシンボルに
なっているといいます。



海の透明度も高く
景観も素晴らしいことから
三方(みかた)海中公園に
指定されているようです。

 



かつて、若狭は
製塩が盛んだったといいます。

 

島を覆いつくす

スダジイやタブノキは、

海水を煮詰めるための
塩木(しおぎ)という
薪として利用されていた
ともいうようです。

 



あたりには
烏(からす)がおおい
とはいいますが、

なぜ
烏辺島(うべじま)というのかは
よくわからないといいます。

 



けれども、今回の
若狭めぐりでは

鵜の瀬(うのせ)
鵜葺草葺不合命

(うがやふきあわせず)など

「鵜(う)」がたびたび
あらわれることから

鵜辺島であり、
鵜葺草葺不合命が立ち寄った
とも考えられそうです。



世久見のとなりには
食見(しきみ)という
分村があるようですが、

これも
「せくみ」の
転訛だといいます。

 

もしかするとこれも
「潮汲」のように
製塩に関する言葉だった
のかもしれません。

 


朝廷に贄(にえ)をささげる
御食国(みけつくに)だったという
若狭ですが

なかでもとくに
塩で知られていたといいます。

 


第25代・
武烈(ぶれつ)天皇は
即位のまえに、

平群真鳥(へぐりのまとり)という
大臣を討ったのですが

このとき、真鳥は

全国の塩(潮・海)に
呪いをかけたといいます。

しかし、
敦賀(つるが)だけは
呪いをかけ忘れたことから

朝廷は以後、
敦賀から塩を手に入れた
といいます。



もちろん、これは
真鳥によって

 

敦賀以外の海が

押さえられていたと

とることもできるようです。

 


塩は食べるだけでなく
祭祀や製鉄や馬の飼育にも
欠かせないものだった

といいますから、

塩の確保が
政治に直結していたようですね。

 



若狭湾沿岸では
70以上の製塩遺跡が
見つかっているといいますから

若狭と大和は
塩によって繋がっていた
ともいえるようです。

 



また、烏辺島には
龍が封じ込まれているという
言い伝えもあるようです。

 

龍神でもあるという

豊玉姫(とよたまひめ)さま

ゆかりの地でしょうか?

 



地元のかたによれば
ここは、平家の落人が
隠れ住んだ里だといい

島には弁天様が
祀られるといいます。


世久見には
弁天も観音も神も仏いて
祀りごとがおおく
大変だとおっしゃっていました。

 



山間から烏辺島へ

参道のように

通りが伸びているのですが、

 

 

そのなかほど、
村の中心あたりには
天利剱(あめのとつるぎ)神社
がありました。



天利剱神を
祀っているといいます。

 

世久見の氏神様

でしょうか。

 



敦賀の
氣比(けひ)神宮にも

天利剱神社という
境内摂社がありました。

氣比神宮のほうは

第14代・
仲哀(ちゅうあい)天皇
宝剣を納めたとされ

剣を神として祀っている
ともいわれるようです。

また、氣比大神の
第5王子宮とも
いわれるといいます。



ホツマツタヱによると
氣比大神は

天照大神の曾孫である
彦火火出見命(ほおでみ)こと
山幸彦(やまさちひこ)といわれ

山幸彦の墳墓まである

といいます。

ですから、
山幸彦の子というと

鵜葺草葺不合命
(うがやふきあわせず)とも
つながるのかもしれません。



もしくは、
天利剱神社
(あめとつるきのかみやしろ)とも
よめることがら

平家の刀が祀られた
とも考えられそうです。

 



ここにはほかに、

石道神
覧波神
火防大神
山王大神
菅原道眞公
乙姫神
建御名方大神

が合祀されている
といいます。

石道神や覧波神など
どう読むのかさえわからない

神々もいらっしゃいますが

もしかすると、
ミシャクジ信仰と

関係があるのかもしれませんね。

 

なにか独特な風習や

特殊な祭祀などが

この地の方々によって

行われていたとしたら

とても興味深いですね。




こうした、あらゆる神々に
守られているからなのか

世久見は
小さな漁村ながら
とても豊かだといいます。

稼ぎがよいため
若者が去ることもなく

60を過ぎたらすぐ
定年して民宿などをはじめ

漁は若いものにまかせる
のだそうです。

無理をする必要もないので
雨だったり、時化のときには
船をだすこともしないといいます。

そんな村ですから
悪いもの(者・物)がでないとも
いわれているようです。

たしかにここは、
不思議な力に守られている
というように感じられました。

 

 

世久見展望台からは、

 

烏辺島の右に
御神島(おんがみじま)、

烏辺島の左に
千島(ちしま)という

 

絶景を
眺めることができました。


若狭国の水神めぐり⑧ へ つづく

 

 

 

 

 

↓よければクリック

↓お願いします。


神社・お寺巡りランキング

 

 

☆水神めぐり全記事リスト☆

若狭国の水神めぐり① ~小浜神社~

若狭国の水神めぐり② ~若狭姫神社~

若狭国の水神めぐり③ ~若狭彦神社~

若狭国の水神めぐり④ ~鵜の瀬~

若狭国の水神めぐり⑤ ~泉岡一言神社~

若狭国の水神めぐり⑥ ~瓜割の滝~

若狭国の水神めぐり⑦ ~烏辺島~

若狭国の水神めぐり⑧ ~三方五湖~

若狭国の水神めぐり⑨ ~常神~