私が実家に帰省する際には、横浜駅で私鉄からJRに乗り換えますが、横浜駅の中央連絡通路は混雑していて人混みを避けて歩く必要があります。ところが実家の最寄りの駅で降車する人は数える程しかいません。

東京、大阪、名古屋等の大都市圏に住んでいると実感はありませんが、地方都市では人口の減少が地方経済の不況に直結しており、これはジャパンシンドロームと呼ばれています。

政府も人口減少の対策として少子化対策を行っていますが、果たしてその政策は有効なんでしょうか? 仮に出生率が少し上昇したとしても、その子供たちが学生や社会人になるには、約20年の歳月が必要です。なんとも気の長い話ですね。

私は、日本は移民を受け入れることを真剣に考える時期に来ている、と思います。

今年はワールドカップイヤーですが、欧米の国々の代表選手を見ていると様々な顔立ちや肌の色の選手が含まれています。最近、欧州では移民を規制する傾向にあるようですが、それ自体が以前から移民を受け入れてきた証拠でしょう。

つまり欧米は移民で成り立っている国なのです。

歴史的に見ても、中国の隋や唐の時代には科挙という試験制度があり、民族・出身を問わず広く優秀な人材を求めることを目的としていました。実際に唐にはソグド人やバクトリア人等の西域の商人が多く存在していましたし、安史の乱を起こした安禄山はソグド人と突厥系の混血で、盛唐の詩人の李白もソグド人かバクトリア人だとする説もあります。

隋の前の鮮卑族が興した北魏では、孝文帝が民族融合の政策を掲げており、その頃からの漢民族の官僚が、各民族を平等に扱うという政策を隋や唐でも継続したようです。

また当時の日本からの留学生である遣唐使の中に、科挙の試験に合格した人がいます。阿倍仲麻呂です。その仲麻呂の帰国の際に、やはり官僚であった盛唐の詩人の王維が送秘書晁監還日本國という題名の詩を作りました。晁衡が仲麻呂の中国名で秘書の監とは当時の仲麻呂の役職であった秘書省の長官を意味します。ところが船が難破したため仲麻呂は帰国を果たせず、唐の長安で没しています。

もちろん私は科挙を復活しろと言っている訳ではありません。

全世界から優秀な学生を多く集めて日本の大学や高校、専門学校等に留学してもらいます。その際に、以下の政策を実施します。

*日本政府が奨学金を出す
*卒業後、日本で働くことを希望する学生には日本政府が就職を支援する
*日本で就職し5年以上働いた場合は、奨学金の返済を全額免除する
*日本で就職した場合、希望者には日本国籍の早期取得を可能とする

つまり、海外からの留学生を増やして日本人にする、という意味ですね。

中国の唐の時代に留学し長安で没した阿倍仲麻呂のように、日本に留学して帰化し日本で活躍して日本の土となるような人達を一人でも多く増やしたいと思うのです。

そしてそれが日本の活性化につながり、様々な思想やライフスタイルが日本に共存することにより、単一民族ゆえに一方的な傾向に陥りがちな日本の世論をより健全化してくれることを期待します。