ハイサイ!

 

たまにオーストラリアの大学時代のクラスメイトと話すことがあるが、自分が頭蓋仙骨療法をやっていると言うとみんな驚く。

 

「え?Toyoが?まじで~!、、、どうして?」と言う感じでw

 

と言うのも、5年間の大学での授業のうち半年間だけCranial Osteopathy(頭蓋仙骨療法)を習うのだけど、全くの否定派でした。

 

一部の生徒は、まさにこれを習うために大学に入学したという生徒もいるが、ほとんどの生徒が「ふ~ん、そんなテクニックもあるんだね」程度。

 

自分に至っては「偽科学」だと鼻であしらっていたし、大学でこんなものを教えるべきではないとまで思っていました。

 

ではなぜ今の施術スタイルになったかは話が長くなるので割愛しますが、気になる方は過去のブログをどうぞ。

 

クラニアルオステオパシー(頭蓋仙骨テクニック)について

クラニアルオステオパシーに対する認識の変化

自分流のクラニアルオステオパシー1

自分流のクラニアルオステオパシー2

自分流のクラニアルオステオパシー3

自分流のクラニアルオステオパシー4

 

とまあ、本質を何にも知らない自分だったのですが、今思うと不思議なことがありました。

 

大学の4、5年生(大学院)になると、ステューデントクリニックで実際の患者さんを診るのですが、各生徒にスーパーバイザーがついて指導してくれます。

 

30代、40代の現役バリバリで最新の技術と理論で威勢がいい先生たちの中に、一人おじいちゃん先生Jがいました。

 

J先生は口数は少なく、いわゆる見て覚えろと言うスタイルでしたが、それは自身の技術の高さを裏付けするものであり、実際、関節をボキボキと鳴らすHVLA(High Velocity Low Amplitude)というテクニックにおいては右に出るものはいないほど熟練したものでした。

 

HVLAは治療家を目指すものにとっては、いわゆる花形的なテクニックであったので、多くの生徒がその技術の教えを乞うべく押しかけて、放課後までJ先生は質問攻めにあっていました。

 

そんな中、授業の一環として、実際のオステオパスのクリニックを訪問して、その治療にオブザーバーとして加わるプログラムがあったのですが、引っ込み思案な日本人の自分(笑)は完全に出遅れてしまい、なかなか予約が取れない状況で困っていました。

 

するとそんな自分を見かねたJ先生が「うちにくるか?」と言ってくれました。

 

普段、生徒たちから質問攻めにされている姿を後ろで見ていた自分にとって、これはラッキー!と喜び勇んでJ先生のクリニックに行ったのを覚えています。

 

いざクリニックに入ると、清潔感はあるものの非常にこじんまりとした雰囲気に少し驚き、なるべく邪魔にならないようにと部屋の角の椅子に座っていると、最初の患者さんが訪ねてきました。

 

さぁ、この熟練したオステオパスがどんな治療をするのだろうと期待に胸を膨らませつつ、邪魔をしないようにと息を殺して観察していると、、???

 

あれ?いつもと違う!?

 

J先生はただ患者の頭に手を当てて、静かに何かを見つめている。

 

そのあまりの静けさに、息をしているのも邪魔になるような気がして息を止めるほど。

 

そして、その静けさすらもなくなったような、まるで無のような空気感で施術が終わった。

 

その患者さんは次の予約を取るとJ先生にひとこと「ありがとう」と言い、それ以上は何も言わずに帰っていった。

 

そして次の患者さんがクリニックに入ってきた。

 

次こそはHVLAやMET、SCSなど、いわゆるメジャーなテクニックを使うだろうと期待して見ていると、、

 

また頭蓋骨に手を当てて、、そしてその患者さんも静かに「ありがとう」と告げて次の予約を取り帰っていった。

 

その次の患者さんも、また次の患者さんも、、、

 

もう何だか意味がわからず、かと言って質問する気も起きないと言う不思議な感覚。

 

そんな自分の心境を知ってか知らずかJ先生はひとことこう言った。

 

「Toyo、ロングタイドはいい兆候だ。まずはそこを目指せ。」

 

???

 

全く意味が分かりませんでした。

 

あれから5年。今はその意味が染みるほど分かります。

 

あのタイミングでなぜJ先生がそんなことを言ったのか未だに分かりません。

 

でも、あの静けさよりも静かな施術は今でも鮮明に覚えています。

 

今度オーストラリアに行った時に、またJ先生を訪ねてみたいと思っています。

 

そしてこう言いたい「Still point(静止)はもっといいですね」と。

 

 

Be Still and Know I Am(静まりて己を知るべし)

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