【被災地の現状】棟梁の故郷、宮古でのお話 | 住まうほど味が出てくる家づくり&図面描き

住まうほど味が出てくる家づくり&図面描き

インテリアコーディネーターのつもりが何故か家一棟の設計から現場監督までするハメに!?建築現場で培った家づくりのノウハウや、この業界のアレコレを綴っています。

住まい力を引き出す建築家、
永瀬絵美です。

今日で東日本大震災から2年、
TVやラジオ、Facebookに至るまで
みんな「震災一色」ですね。

自分自身には大きな被害も無く、
計画停電で寒かったこと、断水した事、
物資やガソリンが手に入らなかった位で
正直、感覚としては忘れつつあります。

ただ、棟梁の出身地、岩手県宮古市では
津波による甚大な被害を受けました。

生まれ育った故郷の変わり果てた姿に
棟梁は多くを語る事はありませんが、
きっと色々な想いがあると思います。


そして、お姉さん一家の住まいは
大津波に流されてしまいました。

家族全員はご無事だったようです。

近くに流されていたご自宅の
形が残っていた1階の冷蔵庫にあった
食べ物を取り出して食べたそうです。

陸地へ5~6km位入った所にある実家へ
家族全員で歩いて向かったら、
着いた頃には、もう日も暮れて真っ暗。

中から出て来たお母様が

「何であんたここにいるの?」

と、目をまん丸くしていたそうです。

実は、地震直後に岩手県一帯は停電し、
TVもネットも情報がありませんので、
大津波で酷い状況である事を、
お姉さんが来るまで知らなかったのです。

しばらくは実家で過ごされていた
お姉さんご一家。

やがて仮設住宅に移りましたが、
ご主人のご病気が悪化。

昨夏に帰らぬ人となりました。

●お見舞い・お香典のお返しにいただいたもの
住まうほど味が出てくる家づくり~湘南茅ケ崎の工務店|ナチュラルハウス湘南-1342000621168.jpg
◆宮古港の漁業も少しずつ復興しています

お姉さん一家は、今も仮設住宅に暮らしています。

幸い、息子さん二人は職を失う事無く、
食べてはいけているようですが、
お墓を立てたり、住まいの事も
色々と考えなければいけません。

宮古市が、津波で失われた土地を
一括して買い取って、陸地よりに
代替地を提供しているそうです。


建築費用も助成金が出るようですが、
とても新築するには足らないような
金額なのだそうです。

つまり、土地があっても
家を建てるお金が無い。


棟梁が昨夏に帰った時に
その土地を見せてもらったそうですが、
殆ど建築は進んでいないのだとか。

被災者の生々しい実情を知るには
私にとっては、唯一棟梁のみ。

お墓を立てる協力くらいは
出来るようにしたいなと
思っております。

そのためには会社を元気に!
棟梁にも元気でいてもらわないと!