住まい力を引き出す建築家
永瀬絵美です。
今年の冬は寒いですね~!
本来は温暖な湘南でも、珍しく、
氷や霜柱が張る日が多いです。
さて、住宅の最も荷重を支える
一番構造上大事な基礎工事。
基礎とは鉄筋とコンクリートで
生成されておりますが、
このコンクリートの調合の如何で、
強度が左右されるのをご存知ですか?
コンクリートは打ったばかりの時より、
日にちが経ってからの方が
強度が出るものです。
生コンを打ってから28日目を
強度の基準日と設定しており、
この日の強度を「設計強度」と言い、
21N/㎜2、24N/㎜2、27N/㎜2…
と、ミリ平米あたり「3N単位」で
設定されております。
私は、フラット35(旧公庫)基準で
住宅の設計をしているので、
基礎コンクリート設計強度は24N/㎜2。
ここで気を付けなければならないのは、
実際に現場での生コンクリート施工時。
下の画像をご覧下さい。
●実際の基礎生コンクリートの納品書です
◆極寒の12月末に生コン打ちました
真ん中の左寄りに、「30」という数値があるのが分かりますか?
ここの名称は「呼び強度」と言い、
設計強度の「24」ではなく、「30」。
「呼び強度」の数値の方が高いのは何故でしょう?
理由は「温度補正」です。
硬化時の平均気温が低い程、
強度が出て来るのが遅いから。
生コンが固まり辛いの真冬には、
温度補正で2ランク上の強度の
生コンクリートを打たなければ、
設計で求めている強度は出ません。
●呼び強度=設計強度+温度補正
つまり、設計強度で24N/㎜2の場合、
呼び強度=設計強度(24/㎜2)+3+3
⇒30N/㎜2
2ランク(=24+3+3)UPで呼び強度で
30N/㎜2必要と言う事です。
温度補正の具体的な数値については
以下のサイトで詳しくご紹介してます。
有限会社ADS計画研究所:住まいの水先案内人
「気温に対する温度補正」
ですので、建築会社の標準仕様書だけで安心するのは危険です。
基礎コンクリート施工時には
強度や品質の証明書を発行可能です。
証明書の金額は1~2万円ですので、
是非、建築会社にお願いして
発行してもらいましょう!