住まい力を引き出す建築家、
永瀬絵美です。
私共では、お施主様のご要望があれば、
土地探しも一緒に行います。
提携している不動産屋をご紹介したり、
時には同行して、建物と敷地の相性を
判断させていただいております。
さて、“敷地探しの極意”には、
以下の記事をご紹介いたしました。
今回は、同じくご自身で変えるには
大きな経済的・心理的負担の掛かる、
もう一つの要素、地盤について。
昨年3.11の大震災で、千葉や埼玉の
震源から遠く離れた土地での
液状化が問題になりました。
折角、地震に強い家を建てても、
家を支える地盤が弱いのでは
元も子もありません。
家を建てるにあたって気になる地盤。
地盤調査自体は数万円で出来て、
強度に適した補強も行えます。
しかし、土地購入前に候補地を
いちいち地盤調査して回れません。
そこで、地名から地盤の強弱を
簡単に見分ける事が出来ますので
良かったら参考にしてみて下さいね。
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“住所”は郵便や宅配便に記す、
「住居表示」の他に「地名地番」と言う
もう一つの表記をご存知ですか?
地質、地形、それと自然災害の痕跡を
地名にする事で危険を避けるための
知恵として先人から伝えられています。
「字」「大字」が付く地名がそれです。
「青山」とか「三軒茶屋」などの地名は
その“由来”が省略されてしまい
元々の地質・地形は分かりません。
これを¥500で調べる方法があります。
「土地登記簿」を法務局で閲覧しましょう。
コピーが欲しいときは¥1000で
取り寄せる事が出来ます。
登記簿の地名地番のところに
「字○○」と書いてあります。
その「○○」が鍵になります。
●良い地盤の地名
・やま:山、岳、嶽、峰、嶺、尾、根
・台地:岡、丘、台、坂上
・高・上:高、上
・自然堤防:曽根、崎、埼、碕、岬、塙、鼻
・傾斜:坂、阪、段、乗越
・植生:森、林
山や台地は水はけも良く
一般的には良い地盤と言えます。
高・上は高さの指標であり、
湿気や水が溜まりづらい土地。
自然堤防は埋立てや掘削等の
人工的に手を入れていない分、
安心出来ると言えるでしょう。
傾斜地は山や丘を示すので
良い地盤と言えます。
森や林は、植物の根が張っていて
水はけが良く崩れづらい土地です。
●悪い地盤の地名
□水辺
・うみ・川 :海、塩、浜、須加、須賀、潟、州、洲、
川、江、瀬、浦、淵、渡、波、
・たまる :淀、澱、沼、袋、池、
・湧く:泉、井
・人工のもの :堤、橋、舟、津、港
・植物・生物 :蓮、蒲、葦、芦(吉)、菅、
鷺、鶴、亀、鵜、鴨、貝
□低地・湿地
・山間の低湿地 :谷津、谷戸、谷地
・低湿地 :阿部、勝俣、五味、迫、久手、
当間、戸部、矢野、阿久津
・窪地 :久保、窪、坂下
□田んぼ・農耕地
・旧田んぼ :田
・新田開拓地 :沖、新在家、田代、別所、
小森、新保
□液状化の恐れ
・砂洲・干潟 :伊佐、砂子、鹿田、州、須賀、菅、
手間、由左、由良
□地すべり・がけ崩れの恐れ
・崖地 :宇津、押出、掛、干(カレ)、久江(クエ)、
猿山、出谷(ダシ)、津江、抜谷(ヌケ)、
保木、羽賀
□河川の氾濫の恐れ
・川沿い :押切、真間、掛、河内、川内、阿久津
悪い地盤の代表格は水辺の近く。
地盤そのものが軟弱です。
仮に表面上は乾燥していても
地下の水位が高い場合も多く、
液状化の恐れがあります。
次に低地や窪地、谷。
地形上、湿気や水が溜まりやすく、
土壌が常に水分を含みますから、
地盤は緩みやすいのです。
窪地を埋め立てた敷地は
更に性質が悪いです。
埋め立てた土壌が良くても
ふわふわの豆腐の上に
乗っているようなものです。
杭を打つにしても、相当の長さで
施工しないと支持地盤に届きません。
あとは田んぼ、農作地ですね。
昔の田畑は水辺のそばの
水をすぐ汲める位置にありました。
つまり、水辺のほとりだった事を示し、
地盤が悪いと言えます。
以上、参考にされてみては如何でしょう?