ピア・カウンセラー

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以前のブログにも何度か書かせていただいておりましたが、


去年からほぼ一年かけてNPO法人Fine主催の不妊ピア・カウンセラーの養成講座を受講し、今年の3月に無事、認定書をいただきました。


いろいろなことを深く考えさせられた講座だったので


もっと早くにブログで自分自身の思いを書きたかったのですが、なかなか言葉にまとめることができないまま今日になってしまいました。




この講座を受講しようと思ったきっかけは、今から数年前、不妊治療と併行して黄土よもぎ蒸しに通ってきていただいたお客様との出逢いがあったからかもしれません。


黄土よもぎ蒸しをメニューにとりいれた当初、私には不妊治療に対する知識はほとんどありませんでした。


顕微授精はおろか、人工授精と体外受精の違いさえ不確かなほどでした。


そのお客様は婦人科疾患をお持ちのこと、年齢のこと、ご主人がどうしても子供を望まれていること・・・そういうことが重なって、治療の中でもいわゆるARTといわれる高度生殖医療にまですすんでいらっしゃる方でした。


それ以外にも、針や整体にも通われていました。


気持ちの強い前向きな方だったので、駄目だった時のお話も淡々と話してくださいました。


治療についても、無知な私にもわかるように丁寧に説明してくださったり。


そのお客様に言っていただいた言葉。


「病院はもちろん、鍼灸院などでも、どうしても治療のために通っている感が拭えないけれど、ここにくるとそれ以外のお話もできるから気分転換になります。治療をしているとどうしてもそのことだけに気持ちが集中してしまいがちなので・・・」




そのころから少しずつ妊娠を希望されてよもぎ蒸しのご予約をいただくお客様の数が増え始めました。


そういったお客様にご来店いただく以上、何も知らないままではすまされないと思い、自分でも本を読んだり、産婦人科の先生の講演を聴きに行ったり、できる範囲で勉強をはじめました。



そしてテレビでたまたまNPO法人Fineの存在を知り、そこのホームページで「不妊ピア・カウンセラーの養成講座」を知ったのです。


全講座をeラーニングで受講して、スクーリングにも参加し、認定試験を受けるという、「ライセンス取得コース」の受講資格は不妊体験者のみとありました。


ただ、Fineの不妊体験者の定義というのが・・・


「現在・過去・未来の不妊体験者」であり、「子どもを望んで、授からない(かもしれない)ことをつらい、悲しいと思ったことがある」人は、男女を問わずみんな仲間だと思って活動を行なっています。

自分の体に何らかの不安があり、将来子どもを持てるかどうか心配な独身の方でも、過去にはつらい思いをしたけれど、現在はすでに子どもがいる方も、みんな仲間です。

治療の経験や子どものいる・いない、現在の婚姻の有無を問いません。


と、そんなふうに書いてありました。


それなら私も受講できるかもしれないと思いました。


医学の知識とカウンセリングの知識。


その両方の面から学習できるこの講座は、不妊で悩むお客様の心に少しでも寄り添うことを望む今の私にはぜったいに必要なもの…


そう思って受講することを決めました。


実際にスクーリングに通い始めると、不妊治療を自分自身は体験していないという、後ろめたさのようなものを感じました。

ただ、同期の皆さんはそんな私を受け入れてくださって、不妊で悩んでいる方の辛い気持ちを聴かせていただいたり、ほんとうに意味のある講座受講となりました。

同じ「不妊」といっても、人によって少しずつ状況が違うということ。

また、同じ「不妊」であるからこそかえって生じてしまう嫉妬や妬みの気持ち。


少し話はそれてしまいますが、私は数年前に大病を患い手術を受けたことがあります。

その時の同室の4人は全員同じ疾患で、4人とも同じ日に手術を受けました。

病名は同じでも状態はそれぞれに少しずつ違っていて、1人の方だけがより深刻な状況でした。

はじめは普通に4人でこの先の不安な気持ちなどを話していたのです。

ここでは皆が同じだから心強いけれど、退院したら元気な人と比べて、自分だけが病気という気持ちになって落ち込むんだろうか…みたいなことも。

けれど、そのより深刻な状態の方がポツンとおっしゃったのです。

「こんなことを言ってはいけないんだろうけど、あなたたちは私より軽いから、正直言うと私はあなたちが羨ましいし、妬んでしまう…」

ほんとうに正直な気持ちだったんだと思います。

言われたほうの私たちは言葉を失いました。

私はそのときも、とても後ろめたいような気持ちになりました。


人の心はとても複雑で、簡単には寄り添うことなんてできない。

相手の話を一生懸命に聴いているつもりでも、ちゃんと聴けていなかったり、聴きたいことだけを聴いていたり、自分の価値観で決めつけていたり。

傾聴の難しさも嫌というほど実感しました。

認定試験では面接試験もあったのですが、その最後の最後まで私は後ろめたいような気持ちがぬぐいきれず、

不妊治療体験者でない自分はピア(仲間)カウンセラーと名乗る自信はない、というような思いを先生にも伝えました。

「では、あなたにとってピアとはなんですか?」
と、先生から尋ねられました。

「わかりません…」


そんなふうにしか答えることができませんでした。

それでも合格をいただきましたが、私には未だにピアの意味がわかりません。

とても難しいです。


講座を受講した同期に、東尾理子さんがいらっしゃいます。

理子さんをはじめ、何人かの方がカウンセラーとしてFainでの活動を開始されています→

私は資格はいただいたものの、そこでの活動はおこがましくて出来ません。


ただ、当店に妊娠を希望してご来店いただくお客様が、少しでも気持ちを楽にしていただくことができたら…

そう考えてこの資格を取りました。

よもぎ蒸しをしていただいている間、お話を聴かせていただくことで、少しでも心の整理ができたり、ふだん人には話せないような気持ちを発散していていただけたら…そんなふうに思っています。


それに、「傾聴」というのは不妊に限ったことではなくて、

何も抱えていない人などいないと思うので。

不妊に限らずいろいろな方のお話を聴かせていただくこと、

そのためにも役に立った講座でした。

受けてほんとうに良かったと思います。


からだは繋がっている。

そして、からだは心にも繋がっている。

お客様の「からだ」だけでなく、「心」にも目を向けて…

そんなふうな気持ちでこれからも皆様をお迎えしたいと思います。


そしてこれからは、「からだ」と「心」を持った「人」は「自然」と一体である…そういったことを学んでいこうと思います。

薬膳の勉強をはじめたばかり。

奥が深すぎてまだぜんぜん理解できていません。

でもとても興味深いです。

いつか皆様に的確なアドバイスができますように…

がんばります。