ウイルス対策は検査と隔離に尽きる。が、なぜこの国はそれが全くできないのか。それは、何度も書いてきたが、厚生労働省と国立感染症研究所を中心とした感染症ムラの村人たちが妨害しているからだ。厚労省の医系技官と感染研に巣食っている連中が予算と天下り先を確保するために、新型コロナを悪用しているのだ。

 

 今回はさらに詳しく説明するために、ネット番組「一月萬冊」のレギュラー、佐藤章氏(ジャーナリスト)に教へを請ふ。また、新型コレラに関する佐藤氏の主な情報源である、上昌広氏(医療ガバナンス研究所所長)にも間接的にお教へいただく。

 

https://www.youtube.com/watch?v=4WVfigDBOsE

 

 厚労相の医系技官とは何か。誰なのか。何をしているのか。それは3年ほど前に安倍政権下で作られた悪しき制度だ。

 

医系技官のトップは医務技官、福島靖正氏。毎日首相に会ってガセネタをレクチャーしている。その結果、菅首相は「第四波とは思わない。大きなうねりにはなっていない」などと耳を疑ふやうなセリフを平気で口にする。福島氏のアタマの中には自分の出世しかない。国民の命などまったく関心がないのだ。

 

ナンバー2の医政局長が迫井正深(サコイマサミ)氏。「ウイズコロナの医療提供体制」を提唱。つまり「医者も病人もコロナとテキトーに付き合ひませう」っと。撃退するつもりなんかハナっからない。NHKクローズアップ現代では、感染対策について「少し弾力的にやっていく」「検査をしぼっていくという部分があったのは事実」と発言。つまり「ゆるゆるとやればいいのよ。検査なんかいらないからね」っと。この人もやはり、国民の命には関心がない。

   

 この人の下で2017年に決めた、高度急性医療病床4万床削減といふ政策がある。高齢化が進む日本の医療費を削減するために、入院患者を減らすといふワケだ。19年から実際に減床を始め、コロナ禍でもさらに減床を続けた!それでも人間かよ。それでいま、感染症病床は全国で1886しかない。7万人に1人だ! こんなことでいいのか。

 

これが厚労省ではお手柄となったのか、年収1千万円の審議官から医政局長へ昇進。いまや年収1千5百万円?

 

 ナンバー3は健康局長の正林督章(ショウバヤシトクアキ)氏。この人はPCR検査を抑えた手柄で昇進。国民の命と引き換えに出世だ。

 

 厚労省の幹部はみんな、コロナを追ひ風に出世しているのだ。庶民は毎日、生活が苦しくなるばかり、路上生活者が増えるばかりだといふのに。厚労省は国民の生き血を吸って肥え太っている。

 

 PCR検査を保健所に集中させ、大学や民間の検査を妨害したのも、厚労省の主な天下り先が保健所だからだ。コロナ対策を保健所に集中させ、存在感を高めることに成功したのだ。

 

 もう一人挙げやう。緊急事態宣言下の3月24日、深夜の宴会で23人の出席者から12人の感染者を出した老人保健課の課長、真鍋馨氏だ。老健局全体の感染者は27人にも上る。老健局って全部で50 人もいないだらうから、ものすごい感染率だ。

 

 まだもう一人忘れてならないのは、和泉洋人首相補佐官とのコネクティングルームと「アーン」不倫で有名になった大坪寛子氏。アホとしかいいやうがない。

 

 どこからだう見ても、こんな連中に国民の命を救ふ感染対策ができるわけがない。

 

 そもそも医学部から医師免許を取って進む道としては、基本的に少数の研究者か多数の臨床医。医系技監は、そのどちらにもなれなかった連中だと言はれている。それなのに自分たちは優秀だと思っているから、まともな政策が立てられない。

 

 だから、まともな政策が立てられさうになると、なんと妨害に入るのである。病院にコロナ病棟を確保させる代はりに病床単位で補助金を付けるといふ、塩崎案を潰してしまったのも彼らだ。

 

 こんどは感染研だ。どんな組織なのか。何をしているのか。

 

 これは前にも説明したが、第2次世界大戦中に満州で人体実験を行ひ、そのデータをアメリカに手渡したことで生き延びた陸軍731部隊の末裔だ。

 

 厚労省と癒着することで、ウイルスのゲノム解析データを独占している。地方衛生研究所から陽性資料の40%だけを送らせて検査している。つまり、すべてを検査する能力はない。その上、分析データを公開しない。予算を、大学などの他の研究機関に取られたくない、独占したいだけなのだ。だから、政府はまともな政策が作れない。

 

 しかも限りなく無能である。厚労省の3月17日発表資料によれば「感染研でのゲノム解析には数日以上を要する」となっている。なぜかといへば、手作業で検査しているからだ。いまどき全自動検査ができない国立研究所なんて、どこの国の話なんだ。

 

 多くの国では島津製作所の全自動PCR検査機が大活躍しているし、後で触れるが、いまやアメリカでは変異株を含めて1時間で結果が出る。負けているのが悔しいからか、感染研はそれを買ふといふこともしない。検査も時代遅れだから、ワクチンなど作れるワケもない。

 

 そんな感染研も体質は厚労省とソックリで、3月18日緊急事態宣言下に21人で送別会(毎日新聞4月8日)。みんなガマンしているのに、自分たちだけ特別だと思っているのだ。

 

 さて、お次は国立病院だ。新型コロナ患者を受け入れ数を見てみやう。民間の病院がなぜ苦しんでいるかがわかる。

 

 1月7日、東大病院は重症受け入れ7人のみ。病床が1217床あって、医師も970人いる病院で、だ。1月17日、国際医療研究センターは重症受け入れ1人のみ。こちらも大病院。つまり、国立病院はコロナ患者をほとんど受け入れていない。国立病院のほとんどは、もと陸軍・海軍の病院だからなのか。実態も理由も不明である。

 

ところが、これを指摘した塩崎議員(さっきの塩崎案の方)のブログに、田村厚労大臣が激怒。この田村といふ腰抜け大臣は、叔父から地盤を受け継いだ厚労族議員。つまり、国民に尻を向けて、国民の敵の応援をしているのだ。

 

 さて、世界のコロナ対策はどんどん進歩しているが、日本だけがビリをひた走っている。

 

 日本のワクチン接種率はやっと2%に届くかといふところ。欧米には遠く及ばづ、東アジアでは最悪。人種差別だと思っている人もいるかもしれないが、何をかいはんや、ブータンのワクチン接種率は85%だ。日頃の外交努力の差でしかない。

 

 ブータン国王夫妻の顔を思ひ浮かべることができる人も多いだらうが、菅夫妻の姿を思ひ浮かべることができる人は世界のどこにもいない。菅夫妻は首相なのに公邸に住まづ、奥さんは絶対に表に現れないからだ。

 

 町医者にはワクチンの案内さへもこない。尼崎市の医師、長尾和久氏がメルマガで、毎日の悲惨な状況を書いている。一部引用するが、ぜひ読んでみてほしい。

http://blog.drnagao.com/2021/05/post-7566.html

 

「昨日午前の発熱外来は25人と多かった。テントが密になり公道にはみ出だした。

その後、訪問診療とコロナ往診が10数人あり、終わったらいつもと同じ22時、とクタクタ。

電話が鳴りやまないので電話番もしたり。要は、GWの僕は「なんでも屋」である」

 

 アメリカのサーモフィッシャーサイエンティフィック社(年商3兆5千億円)の3月18日プレスリリースによれば、新しいPCR検出試薬は、英・南ア・ブラジル変異株を含めて約1時間で検出! 米FDAも推奨している。だが日本では研究用のみで、診断用には使へない。厚労省が保険適用を認めないからだ。国民の命にはまったく無関心な政府。

 

 スイスのロシュ社(年商7兆円)も4月8日プレスリリースで、同じく「変異三種を全自動で同時判定」と発表。これも保険適用が認められないから、国民には届かない。厚労省はもはや国民の敵である。

 

 各国のPCR検査数の感染者数に対する割合を見ると、日本14.7、韓国38.5、台湾131.5、 ニュージーランド1265、オーストラリア2465、中国6262。つまり日本では感染者一人を見つけ出すのに15人しか検査していないのに対し、ニュージーランドやオーストラリアでは千人~二千人を検査して一人の感染者を見つけ出し、ウイルスを徹底的に抑へ込んでいるのだ。

 

 日本のコロナ論文数は世界13位で、G7最下位。1~3位は米中伊。日本では大学などの研究機関もまったく機能していない。

 

 日本でも東大医科研と理化研の解析力は世界のトップで、東大医科研の中村裕輔氏はガン研究のノーベル賞候補。優秀な研究者は他にも、医療ガバナンス研究所の上昌広氏や、東大先端研の児玉龍彦氏などがいるのに、菅首相が頼りにするのは尾身氏ばかり。マスク会食を薦めるやうな非科学的な人物である。

 

 ワクチンさへ打てばなんとかなると思っている方も多いやうだが、これも危ない。ファイザー社が菅首相訪米の際にワクチンを約束しなかった背景には、もはや2回接種ではウイルスには効かないといふファイザー社の判断があったのだ。毎年打たないと効果が上がらないらしい。するとアメリカ人向けで手一杯だから、日本人向けはない、といふワケなのだ。

                                                         

 マスコミは追求しないが、EUが日本に出荷したはずの5200万件のワクチンが行方不明になっている。なぜなのか。もしかすると、これは未承認のアストラゼネカ社製であるために厚労省が隠していて、どこかの倉庫で眠っているのか? どこの製品だとしても、ワクチンの使用期限はおよそ半年である。使はなければ膨大な税金の無駄遣ひに終はる。

 

行方不明の5200万本を別にしても、いま打っているファイザー社製も、いまのスピードで打っていくとすれば、使用期限が来て、大量廃棄になってしまふ可能性があるのだ!

  

 一方で、ウイルスもどんどん進歩している。

  

 インドは二重変異株出現で、1日40万人が感染している。日本でも既に5件確認されているが、そんなに少ないワケがない。相当に広がっていると見なければならない。しかも、このウイルスに対しては、日本人の白血球の相性が悪く、感染爆発する可能性があるといふ。

   

 さらに恐ろしいことに、デリーのサーガンガー病院では、ワクチンを二度接種した医者37人が感染。町医者ではない。病床1000の大病院の医者である。ワクチンも効かないウイルスが日本で大流行を起こす恐れがある。

 

  児玉氏が予言していた「最後の大暴れ」が始まったのか。百年前の「スペイン風邪」(本当はアメリカのカンサス州から始まった)では、末期に若者も重症化するやうになり、当時の世界人口の20分の1が感染して後やうやく終息したが、今回はいったいだうなるのだらうか。

 

2021年5月4日 深7号お終ひ