主人がうつ病になって3カ月が過ぎ、会社を休み続ける日々を送っていました。
私ができることは、
「変に優しくしない、普段と同じ扱いをする」
「“がんばれ”と言わない」
「処方された薬を主人の判断で飲ませない」
大きく分ければこの3つくらいでした。
変に優しくするとうつ病の人は「あぁ、自分のためにここまでやってくれてるんだ、気遣ってくれてるんだ、
自分がダメなせいで迷惑をかけているんだ」
と逆にマイナス志向になるからです。
“がんばれ”という言葉もうつ病の人にとってはマイナスです。
うつ病の人にとって自分はがんばってるのにと思っている人が多いので、これもマイナスになります。
そして、薬の処方ですが、うつ病になると患者自身も治したい一心で薬の用量などを処方されている
以上に多くとったりする傾向があるとのことなので薬の管理は主人に任せず私がしました。
そして、周りからいいというものは率先して取り組みました。
リハビリやカウンセリング、治ったと言われる抗うつ剤、
しかし、なかなか回復の兆しは見えてきませんでした。
そんな日々を送り4ヶ月目に入った中頃、ある治療法と出会いました。
うつ病の権威である下園先生という方のプチ認知療法
というものなのですが、
内容としては、呼吸法や体操と言った体をリラックスさせる方法で
病院では教えてもらえなかったことがたくさんありました。
主人も治すために必死だったのでできるだけ力になろうと私も一緒にこれに取り組みました。
この療法を何度か繰り返すうちに主人の体調や表情、様子が少しずつ変わっていき、
「これをやると気分が落ち着くんだよなぁ」とぼそっと呟いてくれました。
その時にうれしくて涙が出たのを今でもはっきりと覚えています。
そして、療法を始めてからわずか18日後、
主人は仕事復帰ができるようになりました。
短いようで長かったうつ病との闘いでしたが、夫婦の絆を再確認できたような気がします。
うつ病患者をもったご家族の方ならお分かりになるかもしれませんが、
先が全く見えないのがうつ病です。
患者自身もつらいですが、それを抱える家族の精神的疲労も測り知れません。
しかし、必ず道は開けます。
私が行ったプチ認知療法がうつ病の方万人に効果があるかどうかはわかりませんが、
少なくとも前向きな気持ちになることは間違いないと思います。
うつ病にかかった家族を持つということはマイナスだけじゃなくこうやって絆を深めてくれるんだと
プラスに考えられるようになりました。
参考になれば幸いです。