2025年1月2日
氏神様で御神籤をひいてみた。
「雨晴れて 木の間よりさす 月光(つきかげ)に
緑さやかな 風にほふかな」
あまりにも美しいので記しておこう。
澄み通った月光の如く清く明るい心持ちが大切だという。
年の初めにこういう言葉を聞くと、素直にそうあろうと思う。
とはいえ、日々の中でネガティヴな気持ちになったり、落ち込んだり、
絶望的になったり、不安になったりもする。
「Negative capability」という言葉があるけれど、それも心の力だと思う。
私が初めて言葉に出会ったのは、大学のゼミで英国詩人ジョン:
何故か涙ぐみながら教授の話を聞いていたことを思い出す。
あれから何十年、ことあるごとにこの言葉が頭に浮かぶのだ。
そして先日、お気に入りの本屋「フラヌール書店」
心理学のコーナーの奥にあったこの本を見つけた。
『ネガティヴ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』( 帚木蓬生著)
現代において重視されるのは、いかに効率的に、
その能力をいかにして身に付けるか、ということ。
教育の場でも、社会においても、医療の場においても。
これをポジティブ だとするならば、「ネガティヴ・ケイパビリティ」とは、
「負の能力」「どうにも答えの出ない、
「性急に証明や理由や解決を求めずに、不確実さや不思議さ、
ずっと頭にあった言葉だけれど、
音楽や芸術においてはもともと分かることなど前提にしていないの
まとまらず不明瞭で、でも生きているという状況を、
薄暮のようなグレーゾーンを、ただひたすら持ちこたえているうちに、
やがて東の空が明るくなっていることに気がつくのかもしれない。
そこでようやく
「雨晴れて 木の間よりさす 月光(つきかげ)に
緑さやかな 風にほふかな」の境地。
ゆっくりとゆっくりと成長していこうと年頭に誓うのであった。
良い年になりますように。