俺の生い立ちはある程度解ってくれとる人ばっかなんやけど、一応説明?大雑把に。

生まれた日にその辺の路地裏に捨てられたんやけど。真夏やったからほぼ死にかけで発見されて、蓮のばあちゃんの友人の誰かを経由して、個人の孤児院みたいな所に預けられたけど、ろくな養育はされへんかった。そりゃあな、まさかの無戸籍放置やしwww

人を好きになるとその愛情の制御方法や相手の気持ちとか全くわからんかった。

やから、施設で唯一好きになった養育の人に、施設追い出されるばりのストーカー行為をして、わずか5歳で施設追い出された。5歳で何してんねん俺はwww今考えると驚愕やな。にゃーにゃの下のチビは6歳やで?あれより小さい時期に恐怖心植え付けるストーカー行為って、むしろ何が出来たん?知りたくないけど知りたいわ・・・

で、その後は何かその辺の地域では噂になってもうて、あれは野良犬同然に考えろ、情けをかけるな、みたい教えが広まってたらしい。
俺がゴミ箱漁って蛆虫湧いてる飯を食ってても誰一人として声掛けてくるやつは居らんかった。

そんな生活が2年くらいは続いたんちゃうかな。忘れもせえへん、街はクリスマスムードの頃、俺はせめて屋根があるところで眠れるくらいの暮らしをしたいと夢見てたある日。
赤い目をして、白髪の少年が現れた。

「あ、生きてるやん!まじか!!お前やな!?探したわー」

どうやらその孤児院の人づてで、蓮のばあちゃんにまで伝わって、ばあちゃんが蓮に話した。という経緯らしい。

そんなこんなで拾われて、暫くは蓮とこで色々しててんけど。あいつああ見えてごっつ人使い荒い(まぁ、ああ見えても何も、そうにしか見えんか・・・)から、逃亡してん。それが13の頃か?多分。

俺は単身神戸に行って、そこで優しい人に匿ってもろうて、暫くはそこで暮らしてた。まぁ関西に蓮の親父さんの関連事務所あったから俺の行動も筒抜けやったけど。筒抜けやったからこそ蓮は敢えてほっといてくれてたんやろ。

それから2年後くらいやったやろか。
阪神大震災が起きて、俺を匿ってくれた人は、俺を庇って目の前で死んだ。戸籍もない俺は何処で何をしてれば助けてもらえるのか解らない。避難所で名前とか聞かれたらどうしようとかそんなん考えながら、避難所の隅っこで小さくなってた。

そんな中、道なんか通れる状態でもないのに迂回して迂回して、俺のとこに来たんは蓮やった

「まーた生きてるやん。初めてあった時と同じか?」

泣いたわ。すがりついてワンワン泣いたわ。
俺がこいつから逃げんかったら、あの人は助かったかもしれん。俺がここに居たせいで。そんな叫びを蓮はずっと抱きしめながら聞いてくれた。

で、蓮のとこに戻ったってのが経緯。

で、時はぶっ飛んで

「彼女紹介したいねん。」

ある日唐突にそう言われた。心臓が潰れそうなほどの絶望感に襲われた。彼女が出来たら、そいつに本気になったら、俺はまた独りになると。

俺はにゃーにゃの事、会う前から嫌いやった。多分あの頃、この世で一番嫌いやった。