Monkey Magic~Godiego | edihの昭和音楽よもやま話

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60~70年代を中心に、音楽にまつわる話をアップします。

 

 

最近"Arashi"の二宮君が出演する"日産NOTE"のCMでBGMとして流れているのは、
「モンキー・マジック」



歌っているのはラッパーの"Heems"
オリジナルは78年10月、日本テレビ開局25周年を記念して10億もかけて制作された「西遊記」の主題歌で"ゴダイゴ"。

「西遊記」は主演の孫悟空にミスターかくし芸"堺正章"さん、沙悟浄に"岸部シロー"さん、猪八戒は"西田敏行"さんと、これ以上ないキャストに加えて、三蔵法師は意表を突き昭和の美少女"夏目雅子"さんを起用。番組は人気を呼び、最終回には27%もの高視聴率記録、半年後にはパート2がOAされた。が、この番組で一番の人気者になったのは、番組音楽を担当した"ゴダイゴ"であった。

当初、日テレは音楽担当として"井上堯之バンド"にオファーしたのだが過密スケジュールのため実現せず、TV、映画のサントラの仕事をしていた"ゴダイゴ"に決まる。
OA開始と同時期、10月に発売されたエンディングテーマ曲「ガンダーラ」は100万枚を超える超大ヒット、ヴォーカルで作曲を担当した"タケカワユキヒデ"さんの東洋の神秘的な世界への思いが込められているという。

10月下旬には、アルバム「西遊記」をリリース。
サントラ盤となっているが、全曲英語詞の完全なオリジナル・アルバムである。劇伴としてTVで使用されたものは収録されておらず、アルバムから番組用にアレンジし使用したといった方がいいだろう。

「ガンダーラ」やこの「西遊記」は、ゴダイゴが今後を占う意味で、ターニング・ポイント的な作品だった。見事に大ヒットを記録したが、視聴者の子供たちを中心とした大人気のバンドになってしまった。(79年10月発売のライブ・アルバム「MAGIC CAPSULE」で子供達の歓声の凄いこと。タケカワさんのMC中にスティーヴが子供達に「しーっ」(静かに!)という声が結構入っている)

78年後半はCharとジョイントでツアーを回っていたのが突然ヒットの連発でゴダイゴのメンバーは裕福になってしまい、本来のハングリーな音楽の追及はなくなってしまったと、後にリーダーの"ミッキー吉野"さんは語っていた。

さて「モンキー・マジック」は番組の主題歌。
レコード会社が「ガンダーラ」の大ヒットに気をよくして、急遽シングル・カットし大ヒット。日本人が歌う英語詞の曲では一番売れた曲になるだろうか。英語詞ポップスを純粋に理解、受け入れたのは以外にも子供達であった。

玄人好みのバンドが、突然子供たちのアイドルへ。主役の堺さんも、「西遊記」のアルバムから1曲レコーディングしたのだが売れなかったのだから、いかにゴダイゴが注目されたかがわかる。


番組、アルバムのオープニングを飾るのはインストの「ザ・バース・オブ・ジ・オデッセイ」
ミッキーはシンセサイザーに加え、当時はまだ珍しいローランドのシーケンサーを使用。神秘的なサウンドとまだ聴きなれない機械的な音はYMOより早かった。そしてドラの音から「モンキー・マジック」へ。浅野さんのギターのリフもカッコよかった。

最後にメドレーを特別編集で。
後半のメンバーの衣装とメイクは必見!