今日の夕方のこと。帰宅途中で適当に立ち寄ったスーパーで、ヨーグルト売り場のすみっこに置かれたベビーダノンに心の隙をつかれた。

 

普通のダノンよりも細長いベビーダノンの白い容器、パッケージのふんわり淡い色、かわいらしいイラスト。


見るともなしになんとなく目をやったまま

そのままぼーっとベビーダノンを眺めていた。

 

 

 

 

 

数秒ほどぼーっと眺めて、なんでぼーっと見ちゃったのかな?と思った瞬間、

わたしの奥底からぶわっと波が巻き上がって

胸を貫き、頭を覆った。

 

買い物かごを片手にして、ほとんどわけもわからず泣きそうになった。なんだこれ。

 

 

 

なつみ、なつみ、なつみ。

 

 

 

突然、恋しくて寂しくて苦しくて

胸が頭が、いっぱいになる。

 

 

 

なつみ。

 

 

 

 

 

ペンキをかぶったみたいに、わたしの周辺が一年前のあの頃の雰囲気に塗り替えられた。

 

衝撃波を食らった。

 

 

 

 

なつみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの意識が引き出しを開けて一年前の記憶を取り出した。



ベビーダノンは記念すべき食べ物だった。

わたしの妹がなつみにと買ってきてくれた食べ物のひとつ。栄養ミルクやソリタではない市販の食べ物。

 

 

あの頃のわたしは1歳の子がどんなものを食べるのかまるっきり知識がなく、

買ってきてくれたお菓子やジュースを見てとても感心してしまったし、それと同時に育児に関する無知さにひどく落ち込みもした。


そういった事柄がいっきに押し寄せたのだ。

衝撃波の正体はこれだ。



 










 

ベビーダノン。

 

スーパーの陳列棚を見た瞬間、ニューロンたちはシナプスでがっちり握手した。ファイア!

信号の伝播がものすごい速度だったせいで、わたしのすっとぼけた頭は何が起きたのか理解追いつかず数秒ほどぼんやりしてタイムラグが生じた。


なんだかなー、

まるで性能の悪いパソコンみたいだ。

 

 











 

 

胸にせまりくる感情をなだめて冷房の強い建物から出て、虫の鳴き声が聞こえる夜道を家に向かって歩く。



背中にさっきの余波を背負ったまま、帰る。




泣かない。泣かないぞ。

 

 

 









 

 

相変わらず上手く泣くこともできないまま、

あと二日で、あれから一年。