なつみを担当してくれてた先生が
ていねいな字のお手紙といっしょに
プレゼントしてくれた絵本。



なんといういいタイトル。
表紙からもう胸がいっぱいになった。

ううん、お手紙を読んだときから、
ううん、プレゼントをいただいたときから
もう胸はいっぱいだった。


「小さなうさぎはにゃんつーかな、
    大きなうさぎはわたしだな」

勝手に置き換えて表紙をめくる。





小さなうさぎが
「きみのこと、このくらい好き!」と言い

大きなうさぎが
「もっとこんなに好きだよ」と言い

小さなうさぎが
大きなうさぎに負けじと
がんばって競う物語だった。



わたしはワクワクして
「にゃんつー、あててごらん!」と
大きなうさぎを自分に置き換えて
ページをめくる。


だけど、でも。


「なにか違う」
わたしは途中で気付き始めた。

最後のページにたどり着くとよくわかった。
これはわたしとなつみの物語ではなく
夫となつみの物語だ。

大きなうさぎの愛情表現は
そのまんま、夫が娘に向けるそれだった。

大きな、大きな、心優しい、
器の大きい、好きの気持ち。

大きなうさぎの寛容な愛は
夫がなつみにしていたものと同じだった。

この厚み、この包み込み、
この受け止め方は、わたしじゃない。
うまく言えないけど
夫とわたしは好きの質が違うのだ。


この物語は、夫のものだ。








なんだかちょっと負けた気もするけど
いさぎよく夫に教えてあげよう。


「ねぇ、読んでみてこの絵本。
    これあなたとにゃんつーの話だったよ」








読むにつれ、
悲しみでションボリしてた夫の顔に
わずかに楽しげな様子が浮かび、
読み終えて、
まんざらでもない表情がうすく浮かぶのを見て
わたしもまんざらでもない気持ちになった。

いい本をいただいたね。
よかったね。



どんなにきみがすきだかあててごらん。